2003年8月16日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン15日遠藤誠二】ニューヨークを含む米北東部とカナダ東南部で十四日午後四時(日本時間十五日午前五時)から「史上最大」といわれる大規模な停電が起き、約五千万人の住む広範な地域が影響を受けました。十五日午前(同十六日未明)までにニューヨーク・マンハッタンでは北部や金融街ウォール・ビジネス街ミッドタウンなどで電力が回復、ニューヨーク金融市場も始まりました。電力供給の約八割が回復しましたが、完全復旧には時間がかかりそうです。
二年前に同時多発テロ攻撃を受けたニューヨーク市のマンハッタン地区ではテロが疑われたため、数万人規模が避難しましたが、ブッシュ大統領はテロとの関連を否定しました。同市では、地下鉄やエレベーターに数千人が数時間にわたって閉じ込められ、信号も停止するなど交通がまひ状態となりました。ケネディ空港など三つの国際空港などで離着陸が一時停止され、列車の運行も一時とまりました。ニューヨークのブルックリンやカナダの首都オタワで略奪が起きたといいます。
停電の原因は、ニューヨーク州西部のナイアガラ地域の送電システムが稼働しなくなったためとみられますが、詳細は不明。CNNテレビによると、域内の二十一の発電所が三分で停止したといいます。
米国では一九七七年にニューヨーク市で二十五時間以上の停電が発生。二〇〇一年カリフォルニア州で、電力規制緩和が原因で深刻な電力不足に見舞われました。またも繰り返された大停電に、ブッシュ政権の規制緩和政策の下での無策を追及する声があがっています。