日本共産党

2003年8月15日(金)「しんぶん赤旗」

自民長崎県連への献金はワイロ

オンブズマン 建設3社を提訴


 自民党長崎県連などへの献金などをめぐり、「取締役としての注意義務に反し、違法な献金で会社に損害を与えた」などとして、市民団体が十四日、熊谷組、五洋建設、若築建設の当時の社長らに、計約三億四千万円の賠償を求める株主代表訴訟を、各本社・本店所在地の福井、東京、福岡の各地裁に起こしました。熊谷組については、すでに自民党(国民政治協会)への献金について「不正常な癒着を招く」と断罪する福井地裁判決が下されており、今回の一連の提訴は、政党支部への企業献金のわいろ性を問う意義があります。


表

 訴えたのは「株主オンブズマン」と「政治資金オンブズマン」のメンバー三人。

 訴状によると、熊谷組、五洋建設、若築建設の三社は、長崎県内で国の諫早湾干拓事業や県発注の公共工事を受注する一方、一九九三年から二〇〇一年までの間、二千五百万円、五千九百万円、五千百万円を自民党長崎県連にそれぞれ献金しています。

 オンブズマン側は、自民党長崎県連が「国、地方自治体の与党として公共事業に大きな影響力を行使しうる立場にあることは明らか」と指摘。「長崎県連への献金は突出しており、公共事業の受注機会の拡大という見返りを期待したわいろにあたる」と強調しています。

 また、「選挙を離れて政党の活動はあり得ない」として、継続的かつ巨額の公共事業を受注している三社の献金は、国、自治体と契約関係にある企業が選挙に関して献金することを禁止した公職選挙法一九九条一項(特定寄付の禁止)に抵触するとのべています。

 五洋建設、若築建設については、長崎県対馬支庁発注の工事に絡む談合で課徴金を納付しており、その責任も負うべきだとしています。

 請求の内訳は熊谷組が二千五百万円、五洋建設が約二億二千万円、若築建設が約九千万円。(表参照)

企業献金禁止運動に拍車を

 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・北九州市立大学法学部教授の話 十年前の「政治改革」で、政治腐敗の温床である企業献金について「五年後に見直す」という附則がつき、「禁止される」と期待を込めて見守られてきたが、いまだに全面禁止されず、金権・腐敗事件も相次いでいる。それなのに、日本経団連は企業献金あっせんを公言し、政策を買収しようとしている。今回の訴訟は、国民政治協会を通して中和する策も講じることなく、政党支部(自民党長崎県連)に直接、献金している露骨なやり方を問うもので、「企業献金は違法である」という判決をかちとって、政治をゆがめてきた企業献金の全面禁止に向けた運動に拍車をかけたい。


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