日本共産党

2003年8月13日(水)「しんぶん赤旗」

日航機墜落 遺族ら追悼登山

18年、あっという間でした

“真相究明を”“風化させない”


 群馬県上野村の奥深い山中に、日本航空ジャンボ機123便(乗客乗員五百二十四人)が墜落し、五百二十人の命を奪った事故から十八年。遺族や関係者らは十二日、犠牲者の追悼と空の安全を願い、今年も墜落現場となった御巣鷹の尾根をめざしました。

 事故当時に比べると相当整備されたとはいえ、駐車スペースのある登山口から「昇魂の碑」のある尾根まで一時間以上かかる急峻(きゅうしゅん)な山道を歩くと、事故機の部品とみられる焼けただれたプラスチック片やリード線などが今もなおあちこちでみつかります。生存者四人が救出されたスゲノ沢付近には犠牲者の墓標が林立し、事故の大きさ、悲惨さを今に伝えていました。

 故・高濱雅己機長の妻・淑子さん(59)や同僚のパイロットらは雨模様の中、朝六時前から尾根をめざし、機長の墓前にビールや花を供え、手をあわせていました。

 「十八年はあっという間でした。昨年、遺体の歯形が主人のものだということがはっきりして、今年は納得した上で登ることができました」と淑子さん。三年前、ボイスレコーダー(操縦室音声記録)の詳細が明らかになったことについて「事故が乗員の責任でないことがわかってもらえたと思う。真相を明らかにしてほしい」と訴えます。

 元日本航空パイロットで関係者の内部告発を集めた『隠された証言』(新潮社)を著した藤田日出男さん(69)=日本乗員組合連絡会議・事故対策委員=は今回が四十二回目の登山。事故直後に現場にはいった状況をふりかえりながら「事故原因の本当の解明はこれからです。事故を風化させないためにも、私たちが語り継いでいかなければならない」と話していました。(群馬県・酒井宏明記者)


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp