2003年8月13日(水)「しんぶん赤旗」
広島県立中高一貫校(東広島市で来春開校予定)への「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史・公民教科書(扶桑社版)の採択に反対する運動が広がるなか、桧山哲雄生涯学習部長兼教育部次長は十二日、県庁内での記者会見で、同教科書を採択しなかったことを明らかにしました。
八日の定例教育委員会議が十五教科の採択を常盤豊教育長に一任していました。歴史は東京書籍を採択、公民は二年後の次回採択まで公民を習う三年生がいないため採択はありませんでした。
県教委には、同教科書採択をめぐる要請書が三千六百二十九件寄せられました。
全教広島の今谷賢二書記長は同日、「世論の力によって戦争賛美、核抑止論の立場にたつ教科書を採択させなかった運動を確信に、子どもたちを人間らしく育てる本来の姿に取り戻す教育運動に全力をあげる」との談話を発表しました。
「『つくる会』教科書の採択を許さない広島県連絡会」や「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」のメンバーら約四十人は同日、中区の広島YMCAで集会を開催。同ネットの菊間みどり共同代表は「広島の子どもたちに歴史をねじ曲げる教科書が渡されず本当によかった。採択のプロセスなど多くの問題があり、さらに市民のネットワークを広げたい」と話していました。