2003年8月7日(木)「しんぶん赤旗」
サラ金大手「武富士」(本社東京)に対する恐喝未遂事件に絡み、同社の内部資料を持ち出したとして、業務上横領罪に問われた元同社社員中川一博被告(42)の初公判が六日、東京地裁(服部悟裁判官)でありました。
同被告は「資料を持ち出したのは事実だが、武富士の違法行為の公表が目的だった」と述べ、無罪を主張しました。弁護人も同被告が内部告発のために持ち出した資料などによって、警察官の武富士への情報漏えい、武富士による盗聴などの違法行為が次々と明らかにされていると指摘。武富士の不正を告発している者への「微罪で不当な刑事的処罰」は「社会正義の観点からも許され」ないと訴えました。
起訴状によると、同被告は武富士の渉外部課長代理になったころから「裏業務を含む渉外業務を担当」するようになりました。業務でかかわった案件の資料として、右翼団体への機関紙購読料支払いに関する稟議(りんぎ)書の写しなどを自宅に保管していました。
同被告は、昨年九月に懲戒解雇された後も、内部資料を保管。翌十月、会社役員の大塚万吉被告(53)=公判中=に、稟議書のコピー二十四通や顧客台帳七枚などを渡しました。大塚被告らは、これら資料を渡す見返りに、同社から一億円を脅し取ろうとしたとして、恐喝未遂罪に問われています。
中川被告は、資料を渡したことは認めました。しかし、大塚被告が資料を返却せず、中川被告の意思とは関係なく第三者に渡した、と主張しました。