2003年8月6日(水)「しんぶん赤旗」
東京都財務局は五日、国土交通省などが圏央道(首都圏中央連絡自動車道)建設のため、東京都あきる野市牛沼地区で住民の土地、家屋を強制収用するため、行政代執行法にもとづく「戒告書」を住民に送付しました。
戒告書は、対象となる住民九人のうち七人に送付。昨年九月の収用裁決後も住民が自主的に物件を撤去していないとして、今年九月十五日までに物件を撤去するよう求め、撤去しない場合は行政代執行を行うとしています。
これに対し住民は、「自然と住環境を破壊し、財政にも巨額の負担を押しつける圏央道には公益性がない」として、土地収用法にもとづく事業認定と収用裁決の取り消しを求める訴訟を提起。
同時に、訴訟の判決まで収用手続きの執行停止を申し立て。東京地裁の藤山雅行裁判長は「判決まで一時休戦してはどうか」と表明していました。
都財務局は「裁判所の判断を待つ選択肢もあることは分かるが、現時点で執行停止の命令が出ていない以上、代執行を判断した」としています。
戒告書を送付された鈴木進さんの話 長年住み続けてきた土地を、公益性より公害の方が多い事業で取り上げることは全く道理がない。当面求めている収用の一時停止について、裁判所が「早急に結論を出す」とのべているのに、東京都がそれを無視して戒告書を送りつけてきたのは許せない。