日本共産党

2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」

不破議長、チュニジア外相と会談

国際秩序、イラク問題、中東問題――

歴史を含め立ち入った話し合い


写真

ベンヤヒア・チュニジア外相と会談する不破議長(左) =31日、チュニスのチュニジア外務省(小泉大介撮影)

 【チュニス31日小泉大介】チュニスに滞在中の日本共産党の不破哲三議長は三十一日夕、チュニジア外務省内でハビブ・ベンヤヒア外相・立憲民主連合政治局員と一時間半にわたって会談しました。

 ベンヤヒア外相は冒頭、不破議長に対し、立憲民主連合の大会への参加に感謝し一九七七年に駐日大使として赴任したときからつくられた双方の友好関係を強化したいとのべました。

 これに対し不破議長は、「大会が成功に終わったことをお祝いしたい」とのべ、今後の活動の発展に期待を表明しました。また大会出席を機会に「アラブ、アフリカ、ヨーロッパの多くの新しい友人を得た」と改めて大会への招待に感謝を表明しました。

 続いて不破議長は、十一月に予定されている日本共産党大会に提案している綱領改定の内容にふれ、「この改定案には、日本が米国との軍事同盟を離脱して非同盟・中立の立場にたち非同盟首脳会議に参加すること、異なる価値観を持つ文明間の対話と共存と一つの価値観を押しつけないことを明記している。この目標が実現されれば、日本はチュニジアと同じ流れに立って国際舞台で活動できるようになる」と説明。今回のイラク戦争に反対した世界の多数の政府と団体が「国連憲章を守れ」という要求をかかげた歴史的な意義を指摘し、ここに二十一世紀の方向があると強調しました。

 その点で、ベン・アリ大統領・立憲民主連合党首が大会演説のなかで、国連憲章にもとづく国際平和秩序を守り、イラク、中東問題など世界の焦眉(しょうび)の問題をその原則で解決することを強調したことに触れ、国際政治の基本原則で多くの共通性を見いだしたとのべました。

 そのなかで不破議長は、「イラク問題では、開戦前には米国の対イラク戦争に反対し、また中東問題ではパレスチナとイスラエルの二つの国家の共存を軸にした解決を求める点で両党は共通の立場にたってきたと理解している。パレスチナ問題の現状についてあなたがたの見解をお聞きしたい」とのべました。

 不破議長の指摘を深くうなずきながら聞いていたベンヤヒア外相は、「温かい親切な評価に感謝する」とのべ、チュニジアの対外政策についてのべました。対外政策の基本は「どの国とも友人になり、敵をつくらないこと」「寛容の精神をもって多様性の中で連帯を追求すること」と指摘。「チュニジアの歴史そのものが、過去、現在、さらに未来にわたって異なる文明の共存とその伝道の使命をみずから体現している」とのべました。

 同外相はまた、イスラエル・パレスチナ問題解決のための二つの国家の共存という同国の立場を六〇年代から歴史的にさかのぼって説明し、現在の状況についてのチュニジアの見方をのべました。そして、どのようなたたかいも「正当性をもったたたかい」として進められることが重要だと語りました。さらに「テロリズムあるいは過激主義の原因は宗教にあるのではなく、社会的な苦痛や貧困の存在にある。それがわれわれの研究の結論だった」とのべ、社会的、経済的改革によってその根源となっている現実を克服してきたチュニジア政府の経験と成果を数字をあげて説明しました。

 この説明を受けて不破議長が、パレスチナ解放機構(PLO)アラファト議長との会談(一九八一年)の経緯にもふれながら、「正当性を欠いたたたかいは運動の大義そのものを損なう」とのべると、外相は「同感だ。ゼロになる」と応じました。不破議長はさらに「テロの根源の解決に取り組んだチュニジアの経験は、おおいに声を大にして語る値打ちのある話だ」とのべました。

 最後に、双方は今後、両党間友好関係をいっそう発展させることについて語り合いました。

ベン・アリ大統領から会談中にあいさつの伝言

 この会談の冒頭、ベンヤヒア外相は、不破議長にベン・アリ大統領・立憲民主連合党首から今回の大会参加にあたっての感謝と友好のあいさつを伝えました。

 会談の最中にベンヤヒア外相は、ベン・アリ大統領からの電話を受け、同大統領から不破議長に、「時間がとれずお会いできなくて残念です。次回の訪問の際には、必ず時間を取って会談したいと思います」と重ねての友好と連帯のあいさつが伝えられました。

 会談には日本共産党側から緒方靖夫国際局長・参議院議員、森原公敏国際局次長が、チュニジア側からアリ・グタリ外務省アジア局長、一時帰国中のサラ・ハンナシ駐日チュニジア大使らが参加しました。


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