日本共産党

2003年7月25日(金)「しんぶん赤旗」

フセイン息子殺し“戦果”とアピール

戦争、占領正当化狙う米


 ブッシュ米政権はイラク占領軍が二十二日、フセイン元大統領の二人の息子を殺害したことを最大の「戦果」とアピール。不法な侵略戦争と占領統治の正当化を図ろうとしています。これを機会に、大量破壊兵器問題での情報操作疑惑や相次ぐ米軍兵士への襲撃で高まる内外の批判をかわそうとしています。しかし占領軍への襲撃は旧フセイン政権の残党だけでなく占領軍への不満を強める他の組織や人々からも行われているとの見方が支配的。むしろ米軍の力による占領統治の強化はイラク国民との間でいっそうの矛盾を引き起こしかねないとみられています。


各国に軍事支援要求 米大統領

 【ワシントン23日浜谷浩司】ブッシュ米大統領は二十三日、ホワイトハウスで演説し、イラク占領政策は確実に前進していると強調する一方で、世界各国に軍事、財政両面での支援を求めました。

 米英占領当局のブレマー文民行政官とラムズフェルド国防長官を伴った同大統領は、フセイン元大統領の二人の息子を前日に殺害したことにふれ、フセイン政権は永遠に復活しないと強調しました。

 米軍への襲撃が続く中で、同大統領は米国だけがイラクの将来への責任を担うものではないとし、十三カ国が計一万三千人の部隊を送り込み、さらに増える見込みであること、二十数カ国が財政支援を約束していることをあげました。

 占領当局の監督下でつくられた統治評議会が国連安保理に出席したことを「重要な一里塚」だと高く評価。安保理決議を実施するため「軍事的、財政的支援を世界の国々に求める」と述べました。

 ブレマー行政官はその後ワシントン市内で演説し、治安確保、経済復興、政府樹立の三分野で、「六十−百二十日の期間」での目標を設定し、ブッシュ大統領の承認を得たことを明らかにしました。

 治安面では「あめとむちが重要」と指摘。新イラク軍大隊の創設、新イラク民間防衛隊の八大隊を創設――などを挙げました。しかし、「完全な治安は不可能だ」と、今後も困難が続くとの見通しを示しました。

 政府樹立の問題では、統治評議会の設立に続いて、制憲会議の開催と新憲法の採択、自由選挙の実施をあげました。しかし、自由選挙と政府樹立に関する時間的な見通しは示しませんでした。


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