日本共産党

2003年7月20日(日)「しんぶん赤旗」

「つきまとわれて、怖かった」

10代少女に執ような勧誘

“おとなが社会の秩序乱している”

ファッションビル並ぶ東京・渋谷


 夏休み初日の十九日、小六女児監禁事件で容疑者の男との待ち合わせ場所となった東京・渋谷駅周辺は十代の女性を中心に若者であふれていました。カラフルなジュニアブランドを身につけた小学生、アイメイクまでばっちりの中学生、高校生がバーゲンセールに押し寄せました。歩道にはキャッチセールスやスカウトの男性が若い女性に声をかけていきます。待ち合わせ中の若い女性は「モデル」の勧誘を断るのに懸命でした。渋谷駅周辺で若者に聞きました。 行き交う十代の少女たちは事件をどう見たのか。「掃除してって言われて、ついていったら監禁されたなんて怖い」。渋谷に憧れ、福島市から父親と中二の妹とやってきたという高校一年の少女は身をすくめました。


 ブラウスに有名ロゴマークの入った紺のベスト。学校の制服を真似た“制服チック”の二人組は都内の中学三年生。一人が「センター街でアイスを食べていて、男の人に声をかけられたことがある」といいます。「喫茶店でしゃべるだけ」で何千円といい、話を聞いているうちに次々と内容がエスカレートしていったといいます。

 渋谷で十代の少女たちに話を聞くと、こんな“バイト”の誘いを受けたことがあるという人が、かなりの数いました。

 「水商売の“スカウト”に駅のホームまで付きまとわれ、ものすごく怖かった」(十八歳の大学生)。そんな体験を語る人も少なくありません。

 それでも十代の少女たちはどうして渋谷に集まるのでしょうか。「マルキュウ(SIBUYA109)もあるし…」。少女らが共通してあげたのが、駅近くにあるファッションビルの存在です。同ビル内のブティックは、ティーン向けのファッション誌が競ってくり返し紹介しています。昨年三月には、系列ビルの「109−(2)」に、小中学生に大きな人気を誇るブランドのフロアがオープン。渋谷に小学生の姿が増えた一因になっているともいわれます。

 「三千九百円だとちょっと考える。二千九百円ならまあ買う。千九百円なら絶対買いかな」

 都内の高校三年二人連れのことば通り、ファッションビルには、千九百円から三千九百円の価格帯で下着からタンクトップやTシャツ、サンダル、バッグまでそろっています。十代後半の女性に交じってあどけない小学生の姿も。

 少女らに尋ねると、渋谷で使うお金は、一日三千円から五千円が平均的でした。それに対しておこづかいは中三で月三千円程度が相場のよう。

 そうした少女たちを狙って“バイト”を持ちかける者がうごめいているのです。

 サラリーマン風の男性に「カラオケ行かない」などの声をかけられることがよくあるという都内の私立中学三年生は「もう、うざいんだよね」と語気を強めていいました。「ついて行く方も悪いみたいにいう人がいるけどそうじゃない。おとなが社会の秩序を乱していると思う」


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