日本共産党

2003年7月17日(木)「しんぶん赤旗」

主要食糧法 どう改悪された?


 〈問い〉 コメ政策の基本となっている主要食糧法が改悪されたようですが、どう変わったのですか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 一九九四年に制定された主要食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)とは、コメの全量管理を行ってきた食糧管理法を廃止し、自主流通米を中心にする市場原理を導入する一方、国が生産目標などを定め、政府買い入れ米や計画流通制度などを通じて需給調整や価格形成に関与するしくみを残した法律でした。

 今年六月、与党によって可決された主要食糧法の改悪案は、わずかに残ったコメ需給への政府の管理責任も放棄し、市場任せをいっそう進めます。来年四月施行が予定されています。

 たとえば、これまで国みずからが策定してきた生産目標・計画出荷数量などの「基本計画」を廃止し、政府はもっぱら需給見通しや備蓄・輸入方針などを定めるだけとなります。

 政府買い入れ米価格も、「米穀の再生産を確保する」旨の法の規定を削除し、下限がないも同然にしています。

 国は転作などの生産調整からも撤退し、農家・農業団体に方針づくりなどを押し付けます。生産調整の配分も面積基準から生産数量にかえ、豊作で生産枠を超過すれば翌年の配分から減らすしくみです。

 一定の要件を備えた登録業者に自主流通米取引などへの参加を認めた、計画流通米制度を廃止します。届け出さえあれば参加は自由となり、大企業の参入が加速されます。農産物検査の義務も廃止されます。先物取引の禁止など取引方法の規制も緩和され、コメ市場での買い占め・買いたたきなどの投機機会を拡大することになります。

 いま政府が育成を進める大規模農家自身が、歯止めない米価下落で営農の展望を失っています。政府が主食であるコメの価格・需給安定に責任をもち、生産費を償う米価保障制度づくりやミニマムアクセス米の廃止・縮小などを進めることこそが農業再生に必要です。

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 〔2003・7・17(木)〕


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