日本共産党

2003年7月15日(火)「しんぶん赤旗」

ゼネコンなどから1億5千万円

長女運営の組織 名誉顧問に埼玉知事


 土屋義彦埼玉県知事(77)の資金管理団体「地方行政研究会」をめぐる政治資金規正法違反事件で逮捕された知事の長女、市川桃子容疑者(53)が会費制組織を運営し、地元後援企業や大手ゼネコンなど多数を参加させ、約一億五千万円を集めていたことが、十四日までに分かりました。この組織では、名誉顧問が土屋知事、幹事の一人には知事の有力後援企業、丸和運輸機関(埼玉県吉川市)の社長が就任するなど“桃子人脈”が集まっています。

 この会員制組織は「新しい日本つくりフォーラム21」(Jフォーラム)。企業の異業種交流などを目的に、市川容疑者が二○○一年秋に発足させ、運営していました。事務局は、同容疑者が経営する制作企画会社(東京都目黒区)と同じビルに設置。運営や経理は市川容疑者が仕切り、窓口を同社従業員が担っていました。

 昨年十一月現在の会員名簿には法人会員として、鹿島、清水建設、大林組、大成建設、竹中工務店などの大手ゼネコンや地元企業などが名前を連ねています。関係者によるとJフォーラムには市川容疑者らが勧誘した企業約百五十社から入会金や年会費などで約一億五千万円を集めた、といいます。

 土屋知事の有力後援企業であり、市川容疑者の経営するコンサルタント会社「ピーチ」の現所在地となっている運送会社・丸和運輸機関も、法人会員で、幹事の一人として「執行部」に入っています。この企業からは、桃子容疑者が経営していたコンサルタント会社「ピーチ」に数千万円が入金されたことが明らかになり、東京地検特捜部は知事周辺をめぐる資金操作の実態を調べています。

 関係者は「市川さんは『知事とは関係がない』と言っていたが、参加企業は知事との関係を深めたい所が多かった」と指摘しています。

 また、知事の資金管理団体の会計責任者がこの「Jフォーラム」の会計監査を担当していました。しかし、規約に定められた決算報告は設立以来行われていませんでした。Jフォーラムでは桃子容疑者の人選による約十回の講演会を開催し、同容疑者は毎回あいさつしていました。


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