日本共産党

2003年7月11日(金)「しんぶん赤旗」

イラクは「脅威」ではなかった

米元国務省情報分析官ら批判

“ブッシュ政権が情報操作”


 【ワシントン9日浜谷浩司】イラクで大量破壊兵器が発見されないことが政治問題化するなか、イラクの調査にあたった米国務省の元情報分析官や、大量破壊兵器の拡散問題を追っている民間研究者らが九日、米軍備管理協会主催の記者会見で、イラクは「脅威」ではなかったと指摘し、ブッシュ政権による情報操作を批判しました。

 国務省情報研究局の戦略・拡散・軍事問題部長を二〇〇二年まで務めたグレッグ・シールマン氏は、核兵器や生物化学兵器をはじめ、弾道ミサイル、テロ組織アルカイダとの関係などについて、イラクの実態を解明し、「イラクが米国にも周辺諸国にも脅威でなかったことは明らかだ」と指摘しました。

 さらに、ブッシュ政権はイラクの軍事的脅威について「米国民に正確な像を示さなかった」と批判。ブッシュ大統領がイラクの大量破壊兵器保有は「疑いを入れない」と断定したことなどをあげ、責任のほとんどは情報機関の側にはなく、「政府高官が情報を正確に伝えず乱用したことにある」との見方を明らかにしました。

 カーネギー国際平和財団で不拡散問題を研究するシリンシオネ氏も、情報機関の報告と高官発言の違いを指摘。「可能性がある」が「ある」に、「持っているかもしれない」が「持っている」に、「多分」が「間違いなく」に変わったと述べました。


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