日本共産党

2003年7月9日(水)「しんぶん赤旗」

ヤミ金60社告発

脅迫、男性死に追いやる

対策弁護団


 愛媛県の男性に暴利で金を貸し付け、脅迫的な取り立てをし、自殺に追い込んだとして、サラ金やヤミ金の被害救済にとりくむ「松山たちばなの会」や全国ヤミ金融対策会議の弁護士ら約六十人が八日、ヤミ金融業者五十八社と、別の二社について、出資法違反と脅迫容疑で警視庁に告発状を提出しました。

妻が手記

督促 家に、学校に、葬式に

厳しい法律 早くつくって

 この日、実効あるヤミ金融対策法の制定などを求めた国会内の集会で、遺族からの相談をうけた「松山たちばなの会」事務局長の青野貴美子さんが遺族の妻の手記を発表しました。

 手記によると、妻は突然行方不明になった男性を捜して捜索願を出していましたが、警察から死亡の連絡を受けました。男性はヤミ金融に支払ったとみられる銀行の振込用紙や通帳、手帳などを残しました。

 男性が最初に借り入れたのは二万五千円。しかし、手記には「ある取り引きをみると一万一千円を振り込まれ、週に一万七千円をずっと払い続けていて、その支払いに行き詰まり他業者から借り入れ…」とあります。男性の手帳には「百二十七万円おどし」との走り書きもありました。ヤミ金融業者からは、子どもが通う学校にもいやがらせの電話がありました。自宅にきて大声で怒鳴ったりし、子どもはおびえきったといいます。

 男性の葬儀中にも親族に取り立ての電話が入りました。自宅にきた電話に死亡したと伝えても、「お前の亭主は負け犬だ。借りた金も返せないやつだ」などといって、二時間にわたって五分おきに電話をかけてきました。

 妻は手記で「普通のサラリーマンで酒も飲まず、ギャンブルもせず、仕事を終わればまっすぐ家に帰り、子どもたちとよく遊んでくれるいいお父さんでした」と振り返ります。男性の子どもはいまもヤミ金融の電話に悩まされながら、毎日仏壇に線香をあげ、男性に「いってきます」とあいさつして登校していくといいます。

 妻はヤミ金融対策法案にふれ、「二度と私たちの被害者がでないような厳しい法律をつくってください」と手記を結んでいます。

 青野さんは国会内の集会で「これは金融ではない恐喝集団だ。対策法もできるが警察に徹底した取り締まりをしてほしい」と話しました。

 太陽の会に相談した東京都内の会社員のヤミ金融被害者(54)は、「警察にいくと何か起こってからではないと動けません、といわれた」と体験を語りました。

 集会には民主、社民両党議員と、日本共産党の佐々木憲昭、吉井英勝両衆院議員が出席。佐々木議員はヤミ金融対策法案について「一歩前進の中身はできたが、今後改善する課題もある。実効のあるものにするのに一番の問題は、行政、警察の対応だ。今後ともしっかりと追及していきたい」と話しました。


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