日本共産党

2003年7月5日(土)「しんぶん赤旗」

1千億円のムダ遣い止めた

福井空港の拡張計画 県が断念

住民と共産党共同して実現


 「空港ができたとしても赤字空港で県負担が大変になる事業だった」と「福井空港問題を考える会」の宇野進代表委員(76)は、拡張計画断念の喜びを語りました。

 西川一誠福井県知事が、就任初めての県議会(六月二十七日)で「このままにしておくのは好ましくない」と正式に断念することを表明した福井空港拡張計画。同計画は一九九一年九月から凍結とされていたものです。

 福井空港は一九六六年に開港しましたが、不採算のため七六年に休航。八五年に当時の中川平太夫知事がジェット化のため滑走路をのばすという空港の拡張計画を発表。地元の地権者を中心に「空港拡張反対同盟」が結成されて運動が広がり、坂井、春江両町長や町議会、坂井郡選出の県議も反対を表明しました。こうした動きに対し、拡張政策を継承して八七年に初当選した栗田幸雄知事(当時)は、下水道受益者負担の九割還元、生産組合への助成など地元振興や“接待”に百億円を投じ、反対していた町長や町議会、地権者を推進の立場へと変えていきました。

 地元の反対同盟が崩される中、「福井空港問題を考える会」は九三年十二月に結成され、地権者の枠をこえた運動が広がりました。県が関係者を集めて大規模な集会を二回開いた二〇〇〇年から〇一年。「考える会」も会場前でビラを配布したり、最後まで反対していた集落を全戸訪問し激励しました。

 こうした地元の運動とともに、中止に追い込む力になったのが日本共産党の佐藤正雄県議の議会での粘り強い論戦でした。栗田前知事が「県政の最重要課題」とした計画を一貫して税金のムダ遣いであると追及し、一千億円以上の計画にストップをかけました。

 「福井空港問題を考える会」代表世話人の竹内謙二氏(73)は「断念は評価する。しかし、知事から協力者への感謝はあったが、反対派を含む住民に対する配慮が見られなかった。地元住民間の分裂が今のままでは温かみのない政治と言わざるを得ない」と語ります。

 八日から始まる坂井町議選に立候補する日本共産党の野波栄一郎氏(62)も「会」の事務局の一人として運動の先頭に立ちました。野波氏は「空港としても財政運用としても問題があり、県民の同意なしで進めた結果の断念で、道理ある運動が県の政策を中止させた」と述べました。(福井県 山田明信記者)


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