日本共産党

2003年6月29日(日)「しんぶん赤旗」

英政権の支持率急落

戦争強行の批判が影響


 【ロンドン27日西尾正哉】最近の英紙の調査でブレア政権の支持率の急落が明らかになっています。国民を欺いて戦争を強行したとの疑惑で外相や首相側近が議会で証人として招請されるなど、国民の声に耳を貸さず戦争を強行したブレア首相への批判が影響しています。

 二十七日付のデーリー・テレグラフ掲載の世論調査では、ブレア政権の支持率は35%で先月から2ポイント下落し、37%の野党の保守党に抜かれました。前回総選挙時の42%からは7ポイントの下落。燃料価格の高騰で政権支持率が急落した二〇〇〇年九月を除いて一九九二年以来の逆転です。

 支持率急落の要因を同紙は「ブレア首相はフセイン(イラク大統領)の脅威を誇張したとの批判でダメージを受けている」と分析しています。

 焦点となっているのは「ブレア政権の信頼性」です。同紙の調査では「政府は正直で信頼できる」と答えたのは25%にとどまり、先月から4ポイント、総選挙時からは31ポイントも減らしました。

 ガーディアン紙二十四、二十五日付の調査では、首相支持率は先月から49%から39%へと10ポイントも低下。労働党支持率も低迷し、同紙は「ブレア首相の個人的な不人気が深刻なダメージを労働党に与えている」と結論づけました。

 支持率低下に拍車をかけているのが、大学学費値上げなどの内政問題です。

 ブレア政権は三月、二〇〇六年度から三倍近くの学費値上げも容認する「高等教育改革」案を発表。これには学費の無償化を原則にすべきだと訴える全国学生自治会連合(NUS)をはじめ、労働党議員らも反発。二十三日、政府案に反対して自由民主党が下院で提案した動議では、百人近くの労働党議員が「造反」しました。

 イラク戦争の強行、公共サービスの切り捨てなどで、従来の伝統的な支持母体であった労働組合で労働党との関係見直しが活発化しています。労働党への最大の献金組織の一つ、運輸一般労組(TGWU)がイラク戦争や労組規制法などに反発して百万ポンド(約二億円)の献金を見直す動きが報じられています。


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