2003年6月28日(土)「しんぶん赤旗」
自民党の太田誠一行政改革推進本部長(元総務庁長官、衆院福岡三区)が二十六日、早大生らによる女子大生集団暴行事件について「集団レイプする人は元気がある」などと発言したことに怒りが広がっています。国会では二十七日、衆参両院の女性議員有志が太田氏の謝罪を求める抗議声明を出し、太田氏の選挙区でも批判の声があがっています。
発言は二十六日午後、鹿児島市内で開かれた少子化などに関する討論会で飛び出しました。席上、太田氏は「プロポーズをする勇気のない人が増えている」と指摘。これに、司会の田原総一朗氏が「プロポーズできないから集団レイプするということか」と問い掛けると、太田氏は「まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか。そんなことを言ったら怒られるけど」などと応じました。
太田氏は二十七日、「不適切な誇張した表現で、深く反省している。被害者をはじめ多くの女性の方々に不愉快な思いをさせ、おわびする」と釈明。
自民党の山崎拓幹事長は国会内で太田氏と会い、「軽率のそしりを免れない」と“厳重注意”したといいます。
選挙区のある福岡県内では、自民党の太田誠一議員にたいし男性からも女性からも「女性蔑視(べっし)で許せない」「正常な感覚を持たない政治家だ」と怒りが噴き出しています。
福岡市の女性、津田翠さん(28)は「レイプ事件を肯定するような発言に、被害者の気持ちを考えてみろといいたい。与党であれ野党であれ、これが国会議員の発言なのか疑う。国会議員の資格がない」と憤りを語りました。
福岡市早良区の新原ますみさん(31)は「信じられないと許せないという気持ちだ」と話しました。住まいは太田議員の選挙区です。「すごく許せない事件なのに、太田氏は女性をなんだと思っているのか。発言からは、女性に対する蔑視がありありとわかる。そういう人が政治家として、しかも力を持っていることがこわい。政治家を辞めてほしい」と語りました。
山崎あづさ弁護士は「レイプくらいは犯罪ではないという本音が現れたもので、許し難い発言だ」と語りました。弁護士として、セクハラや性暴力など女性にかかわる事件にかかわっているだけに、「政治家以前の人間としての見識を疑う」と厳しく批判しました。
福岡市内の大学四年生の男性、林竜二郎さん(21)は「どう考えても感覚が正常ではない。早大の事件の後、女子学生が『こわいよね』と話していた。人の気持ちに思いをはせることができない人が政治家になっているのは、おかしい」と批判しました。
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自民党の太田誠一党行政改革推進本部長(衆院青少年特別委員)が早大生による女子大生集団レイプ事件への見解表明のなかで、「集団レイプする人は元気がある」などと発言したことについて二十七日、衆参両院の野党女性議員九氏が太田氏に謝罪を求める抗議声明を提出しました。日本共産党の林紀子参院議員が参加しました。
抗議声明は太田氏の発言について、「女性の人権を無視している上、犯罪を肯定しかねない」と批判。「被害者の女性たちはもとより、女性全(すべ)てを侮辱し蔑視したものと言わざるを得ず、到底許されるものではない」としています。
そのうえで、太田氏の猛省と公式の謝罪を求めています。