日本共産党

2003年6月22日(日)「しんぶん赤旗」

大量破壊兵器見つからない言い訳に

「文書略奪」持ち出す

米大統領


 【ワシントン21日浜谷浩司】ブッシュ米大統領は二十一日朝のラジオ演説で、イラクで大量破壊兵器が発見されない問題で、兵器開発を示す文書類が略奪にあったからだとする新たな言い訳を持ち出しました。イラク戦争を正当化する理由が見つからないまま、大統領がこの問題で内外の世論に追い詰められていることを、重ねて浮き彫りにしたものです。

 大統領は演説で「フセインは十年以上にわたって、自分の兵器を世界の目から隠してきた。そのうえ、政権崩壊の時期に、文書や施設が略奪され、焼かれてしまった」と述べました。文書類の「略奪」を持ち出したのは、初めてとみられます。

 ブッシュ大統領はこの間、開戦当時にイラクが大量破壊兵器を保有していたとする従来の主張を、大量破壊兵器の「開発計画」をもっていた、と微妙に変化させてきています。兵器そのものが発見されなくても、フセイン政権幹部やイラク科学者のインタビューを通じて、「計画」を実証できるとの読みがあるとみられます。今回のラジオ演説は、その「期待」も崩れ去ろうとしていることを示しています。

 それにもかかわらず、ブッシュ大統領は、イラク戦争を正当化しようとする点で、強気の姿勢をなお崩していません。十七日には、「(戦争を)見直す動きがたくさんあるのは知っている」と述べたうえで、「(フセインが)自由社会の脅威でなくなり、イラク国民が自由になったことだけは確実だ」と、イラクの体制転換を合理化する主張を改めて前面に押し出しています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp