日本共産党

2003年6月19日(木)「しんぶん赤旗」

イラク大量破壊兵器

情報一部隠した

米議員、CIAに疑念


 【ワシントン17日浜谷浩司】「米中央情報局(CIA)は、高・中度に疑わしい施設すべての詳細情報を国連査察団に提供したと述べていたが、実際には提供していなかった。なぜ、提供したと述べたのか」

 イラクで大量破壊兵器が米英軍占領後も発見されていない問題に関連して、カール・レビン米上院議員(民主党)は十六日、声明を発表し、対イラク開戦を急ぐブッシュ米政権が情報操作したのではないか、との疑惑を示しました。

 声明は、疑惑に答えることが「重要」だとし、戦争前の情報活動とその利用について、超党派で調査する必要を強調しました。同議員は大量破壊兵器問題で、議会が本格的な調査を実施するよう要求しており、声明は、上院情報特別委員会での非公開審議にも波紋を投げかけるものです。

 イラク開戦前、テネットCIA長官やライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)ら政権幹部は、重要施設についての情報をすべて国連査察団に示したと述べていました。しかし、テネット長官が同議員に提供した秘密情報は、その主張が「事実でない」ことを示していたといいます。

 声明は、CIAが国連査察団に重要施設の情報を提供していないことが、二月や三月に明らかになっていたなら、「ブッシュ政権の軍事侵攻の時間表に狂いが出たかもしれない」と強調。「国連査察をやめさせ、軍事行動を開始するという政府の決定は説得力をさらに失い、査察を中止する前にあらゆる情報を国連に提供すべきだ、という要求がもっと強まっていただろう」と指摘しています。


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