日本共産党

2003年6月18日(水)「しんぶん赤旗」

イラク大量破壊兵器問題

ブレア政権の前閣僚が証言

「証拠は誇張して使用された」

英下院委で証人喚問


 【ロンドン17日西尾正哉】イラクの大量破壊兵器問題でブレア首相が機密情報を操作して議会、国民をあざむいたかどうかを調査する英下院外交特別委員会の証人喚問が十七日、始まりました。

 初日は、ブレア首相の戦争姿勢に反対して戦争前後に相次いで閣僚を辞任したロビン・クック前院内総務とクレア・ショート前国際開発相が証言。両氏は「証拠は誇張されて使用された」と述べ、ブレア政権が意図的に戦争をすすめた姿勢を浮き彫りにしました。

 クック氏は、ブレア政権の外相時の経験に基づき「一九九〇年代の後半には、イラクには核兵器もそれを打ち上げる長距離ミサイルもないと確信していた」とのべ、イラクの脅威が最近になって強調された事実を指摘。「私が外相のとき、イラクは炭疽(たんそ)菌の兵器を所持しているとは考えていなかった」と断言しました。

 同氏は「機密情報が戦争へと導くために改ざんされたか」との質問に、ブレア政権の示す「証拠は自らの結論(戦争強行)をサポートするために選択されたものだ」と強調しました。

 ショート氏は「ブレア首相は米国と共同して昨年の夏の時点で二月中旬に軍事攻撃をすることを決めていた」と指摘。このタイムテーブルが「イラクがアルカイダと関係があるなど、イラクの脅威の誇張へと導いた」と述べました。

 同氏はさらに、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の「ブリクス委員長は成功裏に査察をすすめていたが、彼が求めた必要な時間を与えられなかった」と指摘。ブレア首相が国民に脅威を誇張した背景に「ワシントンから圧力があったのは確か」で、ブレア首相は米国を支持することを「名誉に思って国民をあざむいた」と指摘しました。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp