日本共産党

2003年6月16日(月)「しんぶん赤旗」

社会リポート

暴力団忘年会に自民県議

茨城県議会 自公民がかばう腐れ縁

「葬式に出た人もいる」と居直り


 茨城県議会で暴力団と政治家の関係が問題になっています。暴力団の忘年会に出席し、「切っても切れない関係」などと話していた県議の辞職勧告決議案を日本共産党県議団が提出しました。が、本人に反省はなく、各会派も議員辞職は求めないまま幕引きを図ろうとしています。(北関東総局 勝又真史記者)


写真
ビデオに収録された組長(こちら向き左側)と談笑する川口氏(その右)=02年12月19日、つくば市内で

共産党は辞職勧告決議案

ビデオに収録

 県内暴力団員の半数を占める松葉会系暴力団の忘年会に出席していたのは、自民県政クラブの川口三郎県議(70)=北相馬郡選出、当選八回=。日本共産党県議団や報道各社にビデオテープが送りつけられ、今月初め、発覚しました。

 テープには、つくば市内で昨年十二月十九日に行われた指定暴力団松葉会系安井組の安井馨組長(56)=覚せい剤取締法違反などで公判中=の忘年会での川口氏の姿が収録されていました。

 忘年会で川口氏は「(安井組長とは)切っても切れない関係」「(十二月八日投票の県議選で)こうしてカムバックできたのもご支援とご協力のおかげ」「これからもしっかり手を握ってやっていきたい」などとあいさつ。コンパニオンを同席させて談笑し、カラオケまで披露するなど、親密な交際ぶりがテープからうかがえます。

 川口氏は自身のホームページで「ある会社の忘年会に出席してほしいと案内され出席した。出席した人の大半は一般の方々だったが、なかに暴力団系の人もおり、何も知らずに出席した。(組長は)私と同じ藤代町山王の生まれで、家にもよく遊びにきて一緒に食事などもしたことを覚えている」などと苦しい“釈明”をおこないました。

 しかし、テープ以外にも「関係」が浮かんでいます。

 川口氏の選挙区である藤代町で、同氏を支援してきた自民党藤代支部支部長は、安井組長が起こした監禁事件の共犯として今年三月、逮捕=起訴猶予=されていました。川口氏の選挙に詳しい保守系議員は「自民党藤代支部の所在地と川口氏の事務所とは同一だ」と証言します。

地元も辞職要求

 地元の藤代町議会は九日、川口氏の議員辞職勧告決議を賛成多数で可決しました。地元議会から辞職要求が突きつけられるなかで、肝心の県議会はどうか。

 日本共産党の辞職勧告に、川口氏は「暴力団の葬式に出た人もいるのにこれほどの騒ぎにはならなかった。やるなら公平にやってほしい」などと居直る始末です。

 保守系のある県議は「情けないことだが、暴力団と政治家の構造的癒着がある。茨城の土建政治が助長している」と告白します。実際、昨年八月、松葉会最高顧問の告別式に参列した県議がいます。自民党茨城県連会長の山口武平、議長の潮田龍雄、塚田規夫の三県議です。

 川口氏の問題では、県高校PTA連合会会長、県交通安全協会会長の二公職を川口氏が辞任することで幕引きを図る動きがあります。各会派は「自ら(二公職を)辞職するのならば評価できる」(自民党・山口武平県議)、「自主的に判断されたことは好ましいこと」(公明党・足立寛作代表)と一件落着の態度。民主清新クラブも「共産党が提出するものに同調できない。議員の身分に関するものを軽々しく言うべきでない」(長谷川修平代表)などとのべています。

 日本共産党の大内久美子県議団長は「川口県議は、社会的・道義的責任をとり、自ら議員を辞職すべきです。県議会が自浄作用を果たすよう力を尽くします」と話しています。

 辞職勧告決議案は、県議会最終日の十八日に、採決されます。


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