日本共産党

2003年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

難航した工場なぜか急進展

1千万円流れた埼玉県知事親族会社との関係は


 ダスキンの事件に関連して、土屋義彦埼玉県知事(77))の長女、市川桃子さん(53)が代表取締役だった企業「ピーチ」にも、ダスキンから約一千万円の不透明な資金が支払われていたことが四日までに判明しました。この支払いが実体のない取引だったとの疑いや、ダスキンの埼玉県三郷市での工場建設との関係も指摘されており、知事のかかわりもふくめて今後の解明が求められています。

 「ピーチ」への金は、一九九九年から二○○○年にかけ、ダスキンから大手広告代理店「電通」とスパイスを経由する形で、広告販促費として毎月約百五万円、十カ月分約千五十万円支払われたもの。ダスキンの芝原元専務から依頼があったといいます。

 埼玉県三郷市のダスキン埼玉中央工場の建設をめぐっては、さまざまな問題が指摘されていました。

 同工場が建設されたのは九八年一月。同工場建設にあたっては建設予定地内中央部に国が所有する水路があったことが大きな問題となっていました。

 都市計画法三二条では水路などの公共施設がある場合、事前にその管理者との協議・同意が必要です。当時この水路は国の委任を受けた埼玉県が管理していました。

 関係者によると工場建設は当初、水路をめぐり難航していましたが、ある日急にスムーズにいくようになった、といいます。九六年一月には公共施設管理者と同意し、協議の申請を三郷市に提出。翌二月に協議が締結されました。その直後にダスキンは開発許可申請し、県の開発審査会の答申を得て、同年四月に開発許可がおりました。

 都市計画法では開発行為の完了検査をおこない、検査済み証を交付。開発行為の工事が完了した旨の公告が出てから使用することになっています。ダスキンはそれらの手続きをせずに長期間使用していました。これについて三郷市はたびたび注意をしたといいます。

 土屋知事は四日、「ダスキンから頼まれたことはないし、関与したこともない。長女からの要請もない」と語りました。


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