2003年5月29日(木)「しんぶん赤旗」
![]() ヤミ金融被害者の相談にのる「太陽の会」に、13歳の子どもから助けを求めて送られてきたファクス |
弁護士や司法書士、クレジット・サラ金被害者の会などがつくる全国ヤミ金融対策会議(代表幹事・宇都宮健児弁護士)は二十八日、一週間で五割、十割といった暴利をとり暴力的取り立てをするヤミ金融のべ五千二百三十業者を出資法違反(高金利)で警視庁と十八の道府県警に告発しました。同対策会議のヤミ金融いっせい告発は昨年十二月に続く三回目で、告発業者数は過去最多。
宇都宮弁護士と告発したヤミ金融業者の被害者らが同日、都内で会見しました。
茨城県の元会社員の男性(41)は、給料が下がったうえサラ金から借り入れがあり、「何回か借り入れをすれば大口で融資ができる」というヤミ金融から借りて「返すために借りる悪循環に陥った」と話しました。「いやがらせで会社に無言電話が一時間で三十六本かかってきた。家族・親せきにも電話がいき、みんなが恐怖におののいた」。この男性は会社を辞めざるをえなかったといいます。
埼玉県の自営業の男性(43)は「家のガラスを割られ、『死ぬ時は前もっていってくれ。香典もらいにいくから』といわれた。兄弟が勤める役所に百回以上電話がかかった」と被害を語りました。
被害者の相談にのり、違法な貸し付けを解決した東京・大田区の「太陽の会」の本多良男さんは、「最近の実態は、異常としかいいようがない、犯罪金融そのものだと実感している」とのべました。
宇都宮弁護士は「ヤミ金融の勢いは衰えず、被害は拡大している。小、中学校に『子どもをさらう』という督促も目立っている。警察の摘発は昨年過去最高となったが、二百三十八件とはいかにも少ない。一ケタ違えば変わってくるはず」だと話しました。