日本共産党

2003年5月21日(水)「しんぶん赤旗」

731部隊細菌戦謝罪せよ

東京高裁で控訴審始まる 中国人原告が訴え


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裁判後、デモをする731部隊細菌裁判の原告団と支援者=20日、東京都内

 七三一部隊細菌戦裁判の控訴審第一回口頭弁論が二十日、東京高裁でおこなわれました。

 この裁判は、旧日本軍の七三一部隊(中国・ハルビン市郊外)が開発・製造し、実戦で使用された細菌兵器による被害者百八十人が原告となり、国に謝罪と損害賠償(一人あたり一千万円、総額十八億円)を求めたもの。原告は、中国湖南省、浙江省の被害者が中心です。

 東京地裁の一審判決は、旧日本軍の細菌兵器の実戦使用とその被害の事実を詳しく認定し、「非人道的」とのべましたが、「国家無答責」の法理(戦前は違法な公権力の行使であっても国は責任を負わないとする立場)や、日中共同声明および日中平和友好条約により国家責任は賠償責任の放棄で決着したなどの理由で、原告の請求を退けました。

 この日、原告三人が意見陳述。日本軍の細菌兵器の投下によってペストがまん延し、肉親を失った体験を語った湖南省常徳市の何英珍さんは、「事実は認めても、被害者への謝罪も賠償も認めない一審判決は受け入れられない」とのべ、正義にかなう判決を求めました。

 終了後、原告団をはじめ約百人が都内をデモ行進。湖南省常徳市からの支援団も加わり、「謝罪と賠償を断固要求する」「被害者の尊厳を返せ」などと訴えました。


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