日本共産党

2003年5月16日(金)「しんぶん赤旗」

有事法案衆院通過

じっとできない

民主何考えてる


 15日、衆院を通過した有事3法案。雨をついて、多くの人が国会に駆けつけました。「じっとしていられなくて会社を抜け出した」田村かおりさん(25)=東京・中野区=、「民主党も何を考えているのか」と怒るキリスト者平和ネットの嘉藤吉郎さん(81)=東京・日野市=。2人の思いを聞きました。


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通勤途上に掲げているパネルを持って国会に 駆けつけた田村かおりさん=15日、国会前

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宗教者平和ネットの嘉藤吉郎さん

 田村さん 「憲法に反する法律を通そうとするのは絶対おかしい」。そう考えて昼休み、都内の会社を抜け出して一人で国会に駆けつけた田村さん。はじめて本会議を傍聴し、法案の衆院通過を目撃しました。「自分が発言できないのがもどかしかった。あれが議員かと疑うような脅し的なヤジを飛ばす人までいて…」と話します。

 四月から始めた通勤途上の宣伝行動を今も続けています。「ユージホーセーちゃんと知ってる? 戦争協力しない人→罰金、投獄できる…。こんな法律通していいの?」。自作のパネルを掲げての車中アピールです。

 これを見た人からは「北朝鮮の味方か」と的外れの批判を受けたこともある一方で、「東京大空襲では十万人もの人が亡くなったんだよ」と自らの戦争体験を語って激励してくれた高齢の男性もいました。

 “行動”のきっかけは、二月半ば、友人に誘われたイラク攻撃反対の集会参加でした。戦争終結後には、インターネットで有事法制の危険な中身を学びました。

 「平和憲法を持つ日本。有事を引き起こさないために外交努力をこそすべきです。それをせず、こんな法律をつくれば有事を誘発するようなもの」と確信しました。

 「私は平和な社会に暮らしたい。戦争はなくならないという人もいるけど。努力しないと変わらない。『日本が変わります』と宣言する有事法制。このまま通すわけにはいかないでしょう。共産党ももっとがんばって」

 嘉藤さん 山形県生まれで、学徒出陣後、二年間、シベリアで抑留されたという嘉藤さんは「有事法制によって日本は、戦争をする国になる。民主党は何を考えているのか」と静かな口調に怒りをこめます。

 「戦争は絶対にしてはいけない。平和のために平和教育をしよう」となった教師。社会科などを教え、勤評闘争や原水爆禁止運動に参加してきました。嘉藤さんは、「『正義の戦争』というが、広島・長崎が証明したことは、戦争は人類を破滅させるということだ」と力を込めます。

 イラク戦争では反戦運動が世界を覆いました。「治安維持法下では共産党、リベラリスト、宗教者が次々と弾圧されました。今は、どこもつぶされていません。平和のためにしっかりと手を結んでいきたい」と決意を語りました。


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