日本共産党

2003年5月14日(水)「しんぶん赤旗」

京都

民医連中央病院に改善勧告

府・市 検査の虚偽報告で


 京都民医連中央病院(吉中丈志院長)=京都市中京区=で細菌検査室の検査技師らが、たん・尿の嫌気性培養検査などを実施していないのに「菌検出せず」と虚偽の報告を行っていた問題をめぐり、京都府と京都市は十三日、医療法にもとづき実施した医療監視と専門家らによる原因究明委員会(委員長=倉澤卓也・国立療養所南京都病院長)の報告を踏まえ、同病院にたいし、運営の適正化を勧告しました。

 同病院の検査技師らは、一九九八年から二〇〇二年九月まで二千四百五十七件・千四百八人の検査について虚偽報告を行っていました。

 京都府と京都市は、医療監視結果報告書で、元臨床検査部長の責任にふれながら、病院管理上の不備やチェック体制の甘さを指摘。「病院運営適正化に向けて講ずべき改善事項」として、管理運営や職員研修の整備・強化、他医療機関からの検査業務の受託の中止、再発防止など五部門十九項目を勧告し、改善計画書の提出を求めています。

 原因究明委員会による報告書では、検査の対象者でその後死亡した二百五十六人のうち四人については「治療に影響を与えた可能性がある」としましたが、全体として虚偽報告と死亡との因果関係が疑われる例はないとする検証結果を明らかにしました。


再発防止に全力 院長会見

 京都府と京都市の勧告と原因究明委員会の報告をうけ、京都民医連中央病院の吉中丈志院長は十三日、記者会見して、「あらためて患者さま、府・市民のみなさまにおわびするとともに、結果を厳粛にうけとめ、早急に指摘事項を改善したい」とのべ、再発防止と信頼回復へ全力をあげる決意を表明しました。

 吉中院長は、原因究明委員会の報告について、「患者さまの被害が適切に検証され、医療の安全、安心と信頼回復に寄与するものと認識している」とのべるとともに、「死亡との因果関係が明らかであるとされた患者さまがなかったことは、当院の内部調査とも合致し、患者さまに少しでも安心いただける結果ではないかと受け止めている」と語りました。

 そのうえで、勧告にもとづく改善計画を早急にまとめ、「安全安心の医療、患者本位の医療、地域に開かれた医療を基本理念とし、地域の方がたと職員がともに育ちあう臨床研修病院をめざし、二度とこのような事態を起こさないことを誓い、病院再生の決意としたい」とのべました。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp