日本共産党

2003年4月29日(火)「しんぶん赤旗」

3年目の小泉政権

国民の苦しみよそに、ばら色の世界描くが…

ごまかしはもう通用しない


 「ここまで進んだ小泉改革」。発足三年目を迎えた小泉内閣の“成果”をアピールするため、内閣府が作成したパンフレットです。「特区で地方がどんどん面白くなる」「『自分にあった働き方』が選びやすくなる」「企業が、産業が、再び元気を取り戻す」……。こんな披歴は十三項目に及びますが、国民生活のにおいが感じられないのはなぜか――。


 〇二年度の完全失業率は平均5・4%と過去最悪、リストラ、倒産、所得減…経済と暮らしの破壊をすすめた二年間でした。ところが、国民の塗炭の苦しみはパンフレットから排除され、ばら色の世界が描かれています。「ほかの内閣よりよさそう」という、よりましの期待感は内閣支持率の土台です。

“自己否定”したものの

 変化を求める世論を意識しながらも、国民生活と乖離(かいり)する方向しか打ち出せない――小泉内閣が背負っている深刻な矛盾です。

 この政権は、出発点から大きな矛盾を抱え込んでいました。

 自民党の総裁自身が「自民党をぶっ壊す」と過激な“自己否定”を公約する、古い流れを、あたかも未来ある流れであるかのように偽る…。自民党政治そのものの延命のために、綱渡りのような曲芸を演じなければならなかったのです。

 古い流れ――。日米安保という軍事同盟を不動の枠組みにして、アメリカへの従属・忠誠の道をすすみ、国内政治では国民の犠牲で大企業の利益をはかる自民党政治です。戦後、内閣の顔ぶれは次つぎ変わり、政策的な看板のかけかえはありましたが、この自民党政治の中身は変わりませんでした。

 二年間の「小泉政治」もそうです。ブッシュ米大統領の演説を繰り返す「スピーカー」となってイラク戦争を支持。無法な先制攻撃の戦争に参加する態勢を整える有事法制の制定に執念を燃やす。不景気のなかで巨額の負担増を国民に押しつける一方、大企業には減税です。

首のすげ替えできぬ悩み

 しかし、小泉内閣のスポンサーの財界からも「政策を実施していくうえで総理のチームがみえない」(小林陽太郎経済同友会前代表幹事)、「スピード感という点では若干遅い。もう少し早くしてほしい」(奥田碩日本経団連会長)と不満の声が聞かれます。

 弱肉強食の日本社会をめざす「構造改革」をかかげる首相は応援するが、目に見える成果はあげていないと。“賞味期限”が切れて首をすげ替えたくとも、異常な高支持率を記録した小泉首相にかわる「ポスト小泉」の不在は、与党、財界にとって悩みの種です。

 「ぶっ壊す」と叫ばないと国民の求心力が保たれず、かといって自分から勇んで支持基盤を壊すわけにはいかない。支持率浮沈の陰に、小泉内閣は、自民党政治の枠内の「最後の政権」の姿をひきずっているのです。

活力うばって元気出せとは

 「小泉改革」が三年目に入ったいま、自民党はなおも小泉首相にすがって「元気をだそう」と国民に訴えます。元気を出そうにも、その活力を日本社会から奪ったのは、小泉内閣自身です。こんなごまかしはいつまでも通用するものではありません。(高柳幸雄記者)


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