日本共産党

2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

ILO一号条約 日本が批准していないのは?


 〈問い〉 メーデーが近づき話題になったのですが、一日八時間労働のILO一号条約を日本が批准していないのは、どういうわけですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 労働者と人民の国際連帯の日であるメーデーは、八時間労働を求めたアメリカ労働者の一八八六年五月一日の大規模ストライキが起源で、エンゲルスが指導していた第二インターナショナルが連帯を呼びかけ、九〇年五月一日に世界各国で集会やデモを展開したのに始まります。

 その後一九一七年のロシア革命で生まれたソビエト連邦が八時間労働を定めると、資本主義諸国も国際労働機関(ILO)を設立し、一九一九年に一日八時間・週四十八時間労働を定めた一号条約を採択しました。日本はILO設立時の加盟国で、一号条約採択にも賛成しましたが、いまだ批准していません。

 実は一号条約には日本についての例外規定(第九条)があります。一日の労働時間の規定もなく週五十七時間労働(生糸工業は週六十時間)まで認めるなどとし、その例外規定さえ他国より遅れて実施するとしています。

 これは条約に難色を示した日本代表が修正を主張したものです。当時すでに主要工業国の一員だった日本にこうした“後進的”例外を認めることは大論議となりました。日本側は、これは経過規定だとの説明もして修正を受け入れさせ、条約が採択されました。しかし、戦前の日本は結局批准しませんでした。

 戦後も批准していない理由について政府は、労働基準法三六条の労使協定(三六協定)で大幅な時間延長ができる点などが一号条約に抵触するためとしています。労基法を改正し批准できるようにすべきですが、政府は変形労働や裁量労働の導入・拡大など、労働法改悪で条約との隔たりを拡大する一方です。修正までさせた条約を批准せず条約実施の障害を拡大させる姿勢は、国際信義を欠き、ILO加盟国の義務にも反します。

 日本は一号条約だけでなく、労働時間関係の条約は一つも批准していません。

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 〔2003・4・23(水)〕


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