2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
愛知県新城市の土木建築会社「松井建拓」常務松井紀裕(としひろ)さん(39)が誘拐、殺害された事件で、松井さんが所属する新城青年会議所(JC)会員の男(38)が行方不明になり、二十二日夜、フィリピン・マニラから強制送還されました。県警捜査本部は自作自演の誘拐を仕組んだとして、脅迫容疑で、男と知人の男(37)について逮捕状を取りました。
二人は脅迫容疑を認めています。捜査本部は自作自演の目的が捜査かく乱とみて、松井さん事件への関与も追及します。
調べによると、送還された男は新城市内の会社役員で、松井さんと顔見知り。二十一日から「警察の聴取がある」と言って所在不明になりました。
その後、男の自宅に数回、「息子を殺すぞ。金を出せ」と脅迫電話があり、二、三千万円を要求。県警の調べで、知人の男が電話した自作自演と判明しました。
男は二十二日に日本からマニラに出国しましたが、県警が国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、フィリピンの入国管理局に入国を認めないよう要請。男はマニラからフィリピン航空機で成田空港に強制送還されました。
男は新東京空港署に入り、愛知県警の捜査員から取り調べを受けました。逮捕後、同県警に移送されます。知人の男は同県警豊橋署での調べに「男に頼まれてやった」と供述しました。