日本共産党

2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」

ブッシュ無法戦争<21>

米政権癒着企業に巨額利益

戦争と「復興」


写真

KBRのワシントン事務所前で抗議デモを おこなうシチズン・ワークスの人たち =4日(遠藤誠二記者撮影)

 十六日、ミズーリ州セントルイスにあるボーイング社の工場を訪れたブッシュ大統領は、「ここで造られた航空機に注ぎ込まれた優良な技量が、われわれが世界をより平和にすることができる主要なよりどころの一つとなっている」と発言。同大統領はまた、「イラクは解放された。国連は経済制裁を解除すべきだ」とも述べ、復興事業に向けてイラクの石油資源を利用するため国連制裁措置を解くことを主張しました。

トマホークで支払い12億ドル

 同工場では、FA18ホーネット戦闘機を製造しています。一機当たり五千七百万ドル(約六十八億円)かかる同機は、今回のイラク侵攻で三十六機が湾岸地域に配備され出動しました。軍需産業世界第二位でもある同社の二〇〇二年度の軍事部門での契約額は百六十六億ドル(約一兆九千九百億円)。今回の侵攻によって、新たに巨額の利益を得る企業の一つとなります。

 米海軍は、〇九年までの向こう六年間に、トマホーク巡航ミサイルを新たに約二千基購入することを決定。海軍が保有するトマホーク・ミサイルは約二千。そのうち三分の一にあたる七百基が、イラク軍事攻撃で使用されました。イラク戦争で使われたブロック3型トマホーク・ミサイルは一基あたりの値段が百四十万ドル(約一億七千万円)、新たに発注されるトマホークはその半分以下の六十万ドルといいますが、約十二億ドル(約一千四百億円)がマサチューセッツ州を本拠地とするレイセオン社に支払われます。

 国防総省は十六日、イラク侵攻の戦費はこれまで二百億ドル(二兆四千億円)となり、今後、毎月四十億ドル(四千八百億円)ほどかかる見通しを明らかにしました。戦費とは別の復興費は、今後三年間で年二百億ドル(二兆四千億円)といわれていますが、ワシントンの民間調査機関「常識のための納税者」(TCS)は、イラク戦費・復興費は〇三年は千百億ドル(約十三兆円)、向こう十年で五千五百億ドル(六十六兆円)かかるとまで試算します。

 米政府は、油井消火や道路・港湾施設などのインフラ整備、学校建設などのとりあえずの復興支援費として十七億ドル(約二千四十億円)を計上。これまでに発注した企業はすべて米企業です。

「むき出しの えこひいき」

 米国際開発局(USAID)は十七日、その復興の一貫としておこなう同国の電気、水道、下水、港湾、空港の復旧事業で、米エンジニアリング建設大手べクテル社に工事を発注したと発表しました。契約額は三千四百六十万ドル(約四十二億円)。今後一年半で、六億八千億ドル(約八百十六億円)にまで規模が広がります。べクテル社は、シュルツ元国務長官、ワインバーガー元国防長官(レーガン政権時)ら主要閣僚を「天下り」役員として招きいれ、べクテル会長自身、今年二月にブッシュ現大統領の輸出問題の諮問委員に任命され、シーハン副会長は国防総省の国防政策委員、共和党政権とは切っても切れない間柄です。

 さらに国防総省が先に発注した油井消火の企業・ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)の親会社、エネルギー建設大手ハリバートンは、チェイニー副大統領が就任までCEO(経営最高責任者)を務めていました。

 これらは、戦争を強引に始めた政権主導部と米企業の関与が露骨に示されている数例です。

 十四日付のニューヨーク・タイムズ紙社説は、「イラクの金のなる木」と見出しをたてて、「イラクを侵攻し占領し、復興するのには、納税者に一千億ドルもの負担をかけるが、幸運な企業にとってはイラクは利益をあげる中心となる」「ハリバートンのように政治的つながりのある会社に利権を与え始めている」と指摘し、「むき出しのえこひいき」と非難しました。

 米国が始めた戦争は転換点を迎え、今後、原油埋蔵量世界二位イラクで米国と米企業による「復興」の切り売りが始まろうとしています。大企業の不正、政権との癒着などを告発し活動を続ける「シチズン・ワークス」は四月に入り、米政権と企業によるイラクでの略奪をやめさせるキャンペーンを開始しました。同組織のドラットマン広報責任者は、「米国が勝手にイラクの復興を仕切るのでなく、問題はあくまでも国連の手にゆだねられるべきだ」と指摘します。(ワシントンで遠藤誠二 写真も)


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp