日本共産党

2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」

日米演習

自治体動員「要請」から「強制」へ

有事法案の危険性浮き彫り


 昨年二月の日米共同統合指揮所演習で、自治体の動員が想定されていたことは、小泉内閣と自民、公明などの与党が今国会での成立を狙う有事法案の危険をいっそう浮き彫りにするものです。

 ヘスター在日米軍司令官(当時)は、同演習について「日本が米軍部隊に兵たん支援をおこなうことに焦点を置く」と指摘し、「日本の周辺地域で米軍がやっていることを、日本が実際にどう支援するのか、われわれが日本に装備を移動するのに、どんなハードウェア(設備)が使えるのかを、実際に演習で挑戦するだろう」とのべていました(「ジャパン・タイムズ」〇一年八月二十四日付)。日本が国をあげて米軍に兵たん支援することが演習の目的でした。

 ところが、周辺事態法にもとづく自治体動員について政府は建前上、要請であって「強制ではない」と説明してきました。このため、同演習でも、自治体との「調整」という形をとっています。

 一方、政府・与党が成立を急ぐ有事法案は、自治体の米軍支援を、法的拘束力をもつ首相の指示によって強制でき、それでも自治体が拒否すれば首相みずから直接実施できることになっています。

 有事法案は、日本への武力攻撃が「予測される事態」でも発動され、この事態が「周辺事態」と重なり合うことを政府は認めています。有事法案が成立すれば、米国がアジアへの介入戦争に乗り出した際から、自治体動員が強制されることになるのです。(田中一郎記者)

日米共同統合指揮所演習

 在日米軍と自衛隊が昨年二月十六日から二十日まで、防衛庁がある市ケ谷駐屯地(東京都新宿区)と米軍横田基地(同福生市など)などで実施した演習。参加部隊は、自衛隊側は統合幕僚会議、陸・海・空の各幕僚監部など、米軍側は在日米軍と同陸・海・空の各軍司令部、海兵隊など。実際に部隊を動かす演習と異なり、コンピューターを使った図上演習です。日米共同統合指揮所演習と同実動演習は、それぞれ二年ごとにおこなっています。


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