日本共産党

2003年4月12日(土)「しんぶん赤旗」

大型開発

各地で争点に


 “ムダがムダを呼ぶ”と言われ、地方財政の危機と住民生活の切り捨てを招いている大型開発。いっせい地方選では、浪費の公共事業をやめさせて、住民の暮らしや福祉をまもる自治体本来の姿をとり戻すことが大きな争点になっています。

 (深山直人記者)


写真
企業進出がすすまず空き地だらけで、赤字がふくらむ一方の「りんくうタウン」=大阪・泉佐野市

露骨な“川鉄救済”

千葉

 千葉市では、「幕張新都心」「千葉都心」開発が行き詰まっているのにさらに第三の都心開発として、「蘇我副都心」開発をすすめています。三百fもの川崎製鉄工場跡地に国や県などと千五百二十億円かけて商業・業務施設などを建設する計画。川鉄がタダ同然で得た土地を買い取り、工場撤去費まで負担してやるという露骨な“川鉄救済”事業です。

 都心開発が市財政を圧迫し、高齢者の医療費助成に所得制限が導入され七千人が切り捨てられるなど、住民生活が犠牲にされています。

 日本共産党は「だれのための開発なのか。市民の暮らしを優先すべきだ」と中止・見直しを求めています。

 他の会派は、「全面的に支援」(市民自由クラブ)、「発展が期待される」(公明党)、「大歓迎」(民主新政クラブ)などと賛成してきました。

浪費の関空2期

大阪

 採算性も需要予測も完全に破たんし、世論調査で七割が「延期・中止」を求めている関西空港に二本目の滑走路をつくる第二期工事。

 大阪府議会で日本共産党は、当初から二期工事の無謀さを指摘し、見直しを求めてきました。

 一方、自民、公明、民主・府民ネットの「オール与党」は、「関空会社は黒字だ。経営危機ではない」(公明)などと二千億円の累積赤字を抱える事実をねじまげてまで推進を主張しています。赤字を垂れ流す「りんくうタウン」(関空対岸の新都市計画)にさらに五百億円余を投入するなど浪費を重ねる一方で、府立高校生からエアコン使用料をとるなど失政のツケを府民に転嫁しています。


自民や公明 → 破たんの計画に税金投入

 自民党や公明党などは「都市再生」「国際競争」などと称して、高層ビルや高速道路網の建設、巨大港湾や空港建設などに巨額の税金を投入しようとしています。しかしその実体は、破たんした開発計画を看板だけ付け替えて、無反省に続けようというものです。

 ◆埼玉県 「さいたま新都心」のゆきづまりに反省もなく二つの「新都市」を計画。本庄市周辺では、百二十三億円を投じて新幹線新駅をつくり、二十万人都市をつくる計画。

 ◆京都府・市 景観を壊し、渋滞をひどくする市内高速道路計画。工事中の二路線と関連街路だけで府と市が四百三十一億円を投入。

 ◆大阪市 ワールドトレードセンターなど第三セクターの赤字穴埋めに八百五十億円も投じたうえに、新都市建設の「夢洲開発」に五千〜六千億円、関連事業の地下鉄新線、トンネル建設に二千八百億円を投入計画。

 ◆福岡県 玄海国定公園の沖合を埋め立て一兆円を投じて三千メートル級滑走路を二本もつ「新福岡空港」を建設する計画。世論調査では県民の六割が「反対」。


日本共産党 → 住民と無駄遣いやめさせる

 日本共産党は、ムダな公共事業を中止・見直し、住民の福祉や暮らしを守る方向に予算の使い道を切り替えるよう主張し、各地で実績をあげてきました。

 ◆北海道 原始の自然が残る日高山脈を道路とトンネルで貫く「日高横断道路」(事業費八百五十億円)。党道議団の追及と住民運動が広がるなかで、今年二月、知事が建設凍結を表明しました。

 ◆愛知県 万博跡地に五百億円を投じる巨大ニュータウンの建設計画を断念させ、「海上(かいしょ)の森」を守る道をきりひらきました。

 ◆福井県 前回選挙で議席空白から二議席へ躍進した力で、一千億円を投じる福井空港拡張計画を追及。知事が「当分の間凍結」を表明、事実上中止に。

 ◆兵庫県 十四人(その後の補選で当選し十五人)に躍進した力で、播磨空港、西宮沖埋め立てなど四つの大型開発(合計二千四百七十億円)を中止させました。


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