日本共産党

2003年4月11日(金)「しんぶん赤旗」

国連主導の復興焦点

仏独ロ きょう首脳会談


 フランスのシラク大統領、ドイツのシュレーダー首相は十一日、ロシアのサンクトペテルブルクでロシアのプーチン大統領と会談します。三国はイラク戦争開始前には国連の枠内での平和的解決を主張して米英と鋭く対立しました。戦後復興で国連が果たすべき中心的役割をめぐってどのような立場を打ち出すかが問われています。(パリで浅田信幸)

 イラクの復興にかかわって大きな問題になるのは、(1)米英軍の位置づけ(2)暫定政権の正統性(3)イスラエル・パレスチナ紛争の解決─などです。

 ブッシュ米大統領は八日、イラク復興における国連の「不可欠な役割」に言及しました。しかし、この決議は人道援助など米英軍指揮下での補助的役割に限定しようとしています。その一方で、米政権はすでに「復興人道援助室」を国防総省の下に設置し、「戦後支配」の青写真を描きつつあります。

 七、八両日の米英首脳会談は、「イラクのための適切な戦後行政を支持する新安保理決議」を追求することを表明しました。しかし、この決議はブッシュ政権の思惑通り進めば、国際法を無視した軍事行動の「事後承認」を含めて、米軍による軍事支配を正当化することにもなりかねません。

 世界の平和に責任を持つべき国連の枠組みのもとでの事態の解決という方向を打ち出せるかどうかが三国首脳会談で注目されます。

 シラク大統領は八日、国連が中心的役割を担うのは「治安の安定に必要な段階を終えた後」になるとのべました。米軍の都合のいいように軍事作戦が引き延ばされ、米軍主導の復興計画が既成事実化させられる恐れがあることは見落とせない問題点です。

 さらに首脳会議では、イスラエル・パレスチナ紛争の早期解決が強く打ち出されるとみられます。欧州のみならず国際世論の大半は、テロとのたたかいのためにも、イラクの大量破壊兵器問題よりも世界の貧困や飢餓、さらに中東紛争の解決が先だと主張してきました。

 九日には英仏両外相が「アラブ・イスラム世界でもっとも怒りを引き起こしているのはイラク問題でなく、パレスチナ人が抱いている深い不公正感と(テロと報復の)悪循環だ」と確認していることです。

 ブッシュ米大統領はブレア英首相と共同で開戦直前に中東紛争解決に向けた基本方針として「ロードマップ」を発表しました。

 しかしブッシュ政権はもともとイラクに親米・親イスラエル政権を打ちたて、イスラエルに有利な中東の政治地図をつくりあげることの方に熱心です。

 この問題ではイラク戦で緊密な「戦友」であった米英間に意見の違いがあり、欧米対立がイラク戦争開始前とは様相を変えて再燃する可能性も大きいとみられます。


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