日本共産党

2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」

緊迫 有事法案 Q&A

与党修正案は? 危険な本質は変わらず


  与党の「修正」案とはどんなものですか。

  「修正」案は、有事法案の中核である武力攻撃事態法案の「修正」が中心です。最大のポイントは、法案が発動される「武力攻撃事態」の定義を変更していることです。

表現変更しても

 武力攻撃事態法案の政府原案は、「武力攻撃事態」について(1)武力攻撃が「発生」した事態(2)武力攻撃の「おそれ」がある場合(3)武力攻撃が「予測」される事態―と包括的に定義しています。

 これに対し、「修正」案は、(1)の「発生」と(2)の「おそれ」を「武力攻撃事態」と定義し、そこから(3)の「予測」を切り離して、新しく「武力攻撃予測事態」と規定し直しました。

 その際、(2)の「おそれ」という表現を「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態」と変更。「武力攻撃予測事態」の定義には、「武力攻撃事態には至っていない」という注釈を加えました。

 与党は、「『予測』と『おそれ』の違いを分かりやすくするため」だとしています。しかし、これは、国会の審議で「分かりにくい」と批判されてきた、政府の説明を法案に書き加えただけにすぎません。

 そもそも、法案がどういう事態で発動されるのかという問題は、法案の核心中の核心です。これに後からあれこれ手を入れるというのは、みずから法案の欠陥を認めるようなものです。

「予測事態」で

 「修正」案で何よりも重大なのは、武力攻撃が「予測」される事態がそのまま残されていることです。自衛隊や自治体、指定公共機関は、「武力攻撃予測事態」を含む「武力攻撃事態等」に際し、「対処措置」を実施することになっています。

 つまり、日本が武力攻撃を受けていない「予測」の段階から法案が動き出すという仕組みはまったく同じです。米国の戦争に自衛隊が参戦し、自治体や民間企業を強制動員するという危険な本質はなんら変わっていないのです。


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