日本共産党

2003年3月28日(金)「しんぶん赤旗」

ブッシュ無法戦争(6)

バグダッド 住宅地爆撃

民間人犠牲が激増 怒り噴出


 二十六日、イラク攻撃を続ける米英軍は首都バグダッドの住宅地と市場を巡航ミサイルで攻撃、二十九人の民間人が死亡、数十人が負傷しました。イラク当局の発表では、全国で民間人の死者は百七十人、負傷者は千五百人を超えています。近隣のアラブ諸国から一般市民を対象とする攻撃への怒りが噴出しています。(カイロで小泉大介、アンマンで岡崎衆史)

 カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは二十六日、攻撃の直後からバグダッド住宅地の被害の様子を放映しました。黒煙が立ち上り、がれきと化した民家や商店の一群。通りには、黒焦げになり大破した車、そして血まみれで倒れた男性の遺体…。同テレビのバグダッド特派員は「まさしく大量虐殺だ」と現場の状況を伝えました。

 リアルタイムで流れる生々しいニュースを見たアラブ諸国民は怒りをつのらせています。

 二十七日朝、エジプトの首都カイロの新聞スタンド。前日のバグダッド爆撃を特集した新聞が並びました。

 「イラクの絶滅を目指した戦争」─政府系有力紙アルアクバルは一面トップにこの大見出しを掲げました。同紙編集長は論評「解放でなく破壊」で、「これは爆弾、戦闘機、ミサイルによる破壊であり、完全な意図を持ったイラクでの殺人である。米英指導部が主張しているようなイラク解放とは正反対のものだ」と指摘しています。カイロの街角では、市民が「米英の指導者が憎い」「自分もイラクに駆けつけて米軍とたたかいたい」などと心情をぶちまけました。

 学生のナビル・アスワニさん(22)は拳を握りしめます。

 「イラクの国民、とくに子どもたちはこれまでの国際制裁のしわ寄せを受けて弱っている。少しでも良心があるなら住宅地域を絶対に攻撃できないはずです」

隣国民も国際機関も米英を非難

 カイロ大学では二十六日、数千人の学生が集会を開き、米英軍によるバグダッド無差別攻撃を糾弾しました。

 アルアクバル紙二十六日付は指摘します。

 「イラクの子どもたちの死体と血のうえに達成しようとしている米英の戦争目的はイラクの石油を手に入れることである」「侵略軍は市民をがれきの下敷きにし、かれらの戦車は国連憲章やあらゆる法規、道徳を踏みにじっている」

 隣国ヨルダンの国民も、米英の蛮行に怒っています。

 アンマン市内。経理事務職のアブドルフェタ・ジアドさん(32)は、「ニュースをカーラジオで知り、言葉を失いました。誤爆か意図的かどうかはこのさい問題外です。米英両国軍は攻撃をやめ、さっさと国に帰るべきです」といいます。

 貿易会社に勤めるムハマド・マサリさん(32)は、「アメリカは、ハイテク爆弾なので民間の被害がないといってきたけれど、真実はこれで明らかです。テレビでバグダッドの映像を見て涙がとまりませんでした。本当にひどい。非人道的です」と一気に話します。

 雑貨店で働くサラマ・アブドラさん(34)は、しばし沈黙した後「普通の人をいとも簡単に殺すなんて…」といいはじめましたが絶句。目に涙がにじんでいました。

 国際機関、組織からも非難があがりました。

 アナン国連事務総長は二十六日、記者団にたいし「今回の紛争の人道的犠牲にますます懸念を深めている」とバグダッド攻撃を批判しました。

 ラミーロ・ロペスダシルバ国連イラク人道調整官も声明で、「イラクの民間人は、紛争とはかかわりなく、いかなる場合でも、その影響から保護されるべきである」、「民間人とその施設への攻撃は、国際人道法への重大な違反である」と強調しました。

 同人道調整官事務所(UNOHCI)のベロニク・タビュー報道官は同日、米英の攻撃によって増加している民間被害状況について記者会見をおこないました。

 それによると、バグダッド市内の病院の救急処置室は負傷者であふれ、フランスのNGO(非政府組織)がテントを立てて救急治療をほどこしています。市内の病院では、爆撃の振動でガラスが割れないようテープでとめたり、あちこちに土のうを積むなどして被害を防ごうとしています。

 イラク北部では、ガソリンの価格が二倍となるなど物価が急騰、「市民生活が苦境に追い込まれている」とされます。

 激しい戦闘が続く南部のバスラでは、電力と水の供給で支障が続いており、同地では、少なくとも二百人が入院しているといいます。

 大勢の市民、子どもが殺されていく。それが米英による侵略戦争の現実です。今後、この現実はさらに広く世界に伝えられていくでしょう。それでも米英は戦争を続けるのか─。


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