2003年3月27日(木)「しんぶん赤旗」
アメリカによるイラク攻撃が続いています。「何とか戦争をやめさせたい」「あきらめたくない」「今、私にできることは？」――。あなたなりのやり方で「戦争ＮＯ！」のメッセージを伝えてみませんか？
 「代々木神戸屋は戦争反対です」のメッセージを添えた、焼きたてピースパン |
ピースシンボルをかたどったピースパン。サンフランシスコのデモではプラカードのように掲げられ、日本国内でも製造・販売が少しずつ広がっています。
東京・渋谷区の代々木神戸屋では、二十四日朝から店頭に並びました。「パンと元気と笑顔の三点セットを売りたいから、戦争反対は当たり前。ブッシュが『四十八時間』と期限を切った時に、自分にも何かできることはないかと思っていた」と、店長の西澤由貴世さん（３１）は話します。
実家は米軍の横田基地のすぐ近く。おばさんは軍人と結婚してロス在住、友人にも基地関係者が多かったので、今回の攻撃は人ごととは思えませんでした。「私には四年生になる娘がいます。学校では暴力はいけないと教えるのに、偉い人たちが戦争を支持していることになんて言ったらいいかわからなかった」と西澤さん。「この際、態度をはっきりさせておきたかったんです」
「何かできないか」とお客さんも交えた話の輪が店内で広がり、ピースパンの存在も知って…。「やっぱりパンで勝負！」と、パン職人の田崎健一郎さん（３１）に相談しました。
田崎さんの頭に浮かんだのは、フランス・プロバンス地方の「フーガス」。葉っぱの形に切れ目が入ったパンです。平和の象徴というオリーブを刻んで入れ、オニオンやハーブもふんだんに。土日返上で試作し、直径約十五㌢の食べ応えあるパンに仕上がりました。
「人間の手で作っているというイメージがいいかなあと、天然酵母を使ってじっくり八時間かけました。こんな“スローな仕事”なので、平和を望んでいないとできないと思うから…」と田崎さんの思いもぎっしり詰まっています。
西澤さんは言います。「戦争が始まって落ち込むんじゃなくて、『よしっ、がんばろう！』とあきらめない気持ちを伝えたい。やってみなきゃわかんないじゃない！」
 シールを広げる船橋市の秋元さん |
「イラク戦争反対です」というハート形のシールを周囲に広めている人たちがいます。シールは日本共産党が作成したイラク戦争反対運動グッズの一つです。
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千葉・船橋市、ＪＲ船橋駅前で自然食品店を営む秋本記久子（３２）、弘幸さん（３３）夫婦。こぢんまりとした店を入ったすぐのカウンターのかごの中にシールが入っています。「平和への願いがこのシールとともに広まりますよう」とのメッセージがついて。
「知人からのメールでシールのことを知って、店にぜひ置きたいと思いました。私は外に出にくいので」と記久子さん。目に止めたお客さんと「なぜアメリカは戦争をするんだろう」などと話になります。
この戦争に最初から反対でしたが、「ミサイルなどによる攻撃で市民に多数の被害が出るのを見て、反対の思いが強まりました。私たちの行為はささやかで、シールもそんなに普及できていません。大河の一滴ですが、今こそ一人ひとりの心の中に平和を願う思いをすえていきたい。その一助になればいいと思っています」。
 新宿西口での日本共産党街頭演説に参加した相馬さん |
沖縄・那覇市でホームヘルパーをする相馬由里さん（２５）。シールを知人から送ってもらったり、参考にカラーコピーで作成するなどして百枚以上普及しました。職場の人や、友人、国際通りであったデモで一緒になった人などに渡しています。「命を大切にする仕事をしていますから、罪もない人を傷つけたり命を奪う戦争は絶対許せません」。米軍基地と隣り合わせに住む沖縄では強く思います。
今、友人と、一日一つの平和行動をしようと話し合っています。「シールを広めること、戦争のことについて周りの人に話すこと。開戦後は米軍のフェンスに青のリボンを結ぶ行動も友人たちと始めました。黙っているのは戦争に賛成するのと同じ。それはいやなんです」
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