日本共産党

2003年3月21日(金)「しんぶん赤旗」

政府の社会資本整備「重点計画」とは?


 〈問い〉 政府が四月から導入しようという、公共事業の「重点計画」とはどういうものですか。(愛知・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣が今年四月実施をめざし、審議を急ピッチで進めさせている「社会資本整備重点計画法案」と関係整備法案は、公共事業を「重点的、効果的かつ効率的に推進」するとして、道路、港湾、空港など、従来の九つの長期計画を含む十三の事業を「社会資本整備重点計画」に一本化するものです。しかし、従来からのむだな大型公共事業計画を基本的に温存するばかりか、現行法による国会のわずかなチェックの機会もなくすなど、改革とは無縁のものです。

 国家公安委員会、農林水産大臣、国土交通大臣が作成し閣議決定する「重点計画」は、道路整備計画を除きこれまでのように予算総額を先に明示することはせず、「重点目標」などを代わりに示します。しかし従来型の「国際競争力強化」や「都市再生」「高規格化」などが政策目標ならば、いままでの公共事業計画と本質は変わりません。政府が、需要予測を下方修正した関西国際空港の二期工事や中部国際空港建設なども「必要な事業」だとして推進しているように、過大な需要予測が判明した公共事業を抜本的に見直すしくみもありません。

 法案は、一万四千`の高速道路建設などを盛り込んだ五全総と、重点計画が「調和」すべきことを明記しています。むだな公共事業計画の根拠となっている五全総に手をつけず、温存をはかるものです。

 いままで、各事業の五カ年計画などは根拠法が五年ごとに国会に提出され、不十分ながら審議の機会がありました。こんどの「重点計画」は閣議決定だけで決まり、決定過程がさらに不透明になります。道路族などの暗躍の場を広げるものです。

 また関係整備法案は、もともと道路の「緊急」整備目的で確保されてきた道路特定財源を、「緊急」性がなくなっても温存・継続させています。

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 〔2003・3・21(金)〕


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