2003年2月19日(水)「しんぶん赤旗」

日本共産党

スポーツの輪広げて

愛知・スケボーパーク

僕たちの声が反映された

スケボーの技を磨く青年＝愛知県小牧市の「スケートパーク川西」

　「うるさいからやめて」「ほかでやって」―。スケートボードを楽しむ青年たちが、一度は言われたことのある言葉です。スケボーを安心してできる場所がほしい。青年の切実な思いを実現するため、スポーツを国民の権利として位置付ける日本共産党の議員が全国で奮闘しています。運動が広がる愛知県にみました。（栗原千鶴記者）

　名古屋の都心部から１５キロ圏内の住宅都市、尾張旭市。日本共産党の塚本美幸市議は数年前から、駅前でスケボーをしている青年をよく見かけていました。しかし、そこには「スケボーをしてはいけない」という看板が立てられ、青年たちは追われるように駅前から姿を消しました。

青年に声かけ議会で質問

　「安心してスケボーをやれる場所を子どもたちに保障していないのに、ダメダメとだけいっても子どもたちは納得しないのではないか」

　追われた青年たちの気持ちを胸に抱いていた塚本議員は、その後、別の場所で出会ったスケボー青年に声をかけ、要求を聞き、議会で取り上げました。

　「青少年が安心して、スポーツをしたり、集うことのできる居場所をつくっていただきたい」

　２００２年１月、定例議会での質問でした。市は、矢田川の河川敷整備の際に、自転車やスケボーなどができる場所をつくることを考えていると答弁。約３００万円の予算がつき、５月には、アスファルトで舗装された広場ができました。

　すでにスケボー専用広場がつくられ、青年に喜ばれているところもあります。小牧市の「スケートパーク川西」です。日本共産党の楠孝一議員が取り上げ、市が建設に踏み切りました。

市に要望してすぐに予算

　楠議員は「スポーツ・文化の振興の一環としても、これら（スケボー）の練習場を建設中のスポーツ公園はもとより、都市公園などに設置すること、実施することを提案します」と市に要望。すぐに４０００万円の予算がつきました。

　パークの広さは約４０００平方メートル。青年たちが技を磨くための道具（ランプなど）が７基も置かれています。周囲に住宅がないため苦情もなく、照明灯がついているのも好評です。

　毎日通っているという地元の高校１年生、杉浦康平さん（１６）は「小牧駅前でやっていたとき、近所の人からうるさいと言われた。安心してできる場所をつくってほしいと『市民の声』（市の投書箱）に意見を出した」そうです。その後、実際にパークができ「自分たちの声が反映され、本当に驚いた」と話します。

　パークには、近隣からも青年が足を運んでいます。隣の岩倉市に住む井上裕貴さん（１８）と杉野真行さん（１８）は週に４回、自転車で３０分かけて通っています。２人は「岩倉市にも、こんな専用の広場がほしい」と口をそろえます。

　愛知県では、ほかにも津島市で陳情に同席して運動を励ましたり、一宮市や春日井市などでは議会で取り上げ、市側から「研究していく」などと前向きな答弁を引き出しています。豊明市でも建設を約束させるなど、各地で党議員が青年の要求実現に奮闘しています。

税金の使い方疑問抱き成長

　日本共産党愛知県委員会の大野宙光・青年学生部副部長は「スケボーパークがほしいという青年の要求は非常に強い。青年は、議会などに一緒にいくことによって、税金の使い方などに疑問を抱くなど、どんどん成長していきます。これからも取り組みを強めたい」と意欲的です。同県委員会では、「日本共産党の議員と一緒にスケボーパークをつくろう」と書いたビラを広範に配布することにしています。

　こうした青年の要求と結び付いた党の地方議員の取り組みは全国で広がっています。新潟市では市議と青年が協力し、スケボーパークが実現。東京、京都、大阪の大都市でも、スケボーパーク、バスケットゴールなどがつくられてきました。（表参照）

　「自分たちの意見を、議会で取り上げてくれたのが共産党だ」と青年からの厚い信頼も勝ち取っています。青年のスポーツ要求を取り上げ、政治に生かす共産党の取り組みがいま光っています。

全国の事例（一部）