日本共産党

2003年2月15日(土)「しんぶん赤旗」

同和対策延長となるようなニセ人権対策とは?


 〈問い〉 日本共産党が反対している、「同和」対策の延長となるようなニセ「人権」対策とはどういうものですか。(宮城・一読者)

 〈答え〉 長年の国民の努力と運動で、半封建的な残り物である部落問題は解決にむかい、国政では昨年三月、「同和」の「特別」法体制が失効し、自治体でも同和行政終結は基本的流れとなっています。いま、新たに「人権」対策が強調されていますが、内容は同和行政なき後の対処検討から始まっており、「人権」を国民の相互の間の「差別」問題にしています。

 現に、新たな「人権教育・啓発法」は、対象を事実上「社会的身分」にかかわる「差別」にわい小化し、国や自治体が「差別意識」をもつ国民に「教育」「啓発」をするというものです。言論・表現の自由を侵すメディア規制などが問題になり、国会で継続審議となっている「人権擁護法案」も、権力の人権侵害や労働分野の人権侵害は救済しない一方、どこまでも拡大解釈できる「不当な差別言動」や「差別助長行為」を処罰対象にし、国民の言論・表現の自由や心の持ち方にまで行政が介入できるものです。憲法の豊かな人権保障を実行するのでなく、「人権」を恣意(しい)的判断の入りやすい「差別」問題にわい小化し、逆に憲法の人権規定を侵す、こうした動向に日本共産党は反対しています。

 地方では部落解放同盟(「解同」)が、「差別意識」が重大な「人権問題」だとして対応を迫り、「同和」行政同様の特権を要求しています。大阪市では二〇〇二年度予算から「同和」の文字が消え、新たに登場したのが「人権協会」への委託事業増加です。「人権協会」は「解同」の同和行政介入のしくみであった「大阪市同和事業促進協議会」が改称したもので、「解同」が新たな「人権」対策の事実上の受け皿となっています。

 党は各地の具体的状況から、「同和」対策の延長となるようなニセ「人権」対策に反対し、憲法に即した人権政策の具体化を求めています。

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 〔2003・2・15(土)〕


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