日本共産党

2003年2月6日(木)「しんぶん赤旗」

障害者福祉支援費制度の「上限」問題とは?


 〈問い〉 最近、障害者福祉の支援費制度をめぐって問題になった「上限」とは何のことですか (東京・一読者)

 〈答え〉 いままでは、障害者が利用する施設やホームヘルプなどの福祉サービスは、国や自治体が直接的な責任を負って提供するしくみでした。しかし今年四月からは、介護保険と同様に、障害者本人が利用するサービスを決め、サービス事業者を選んで「契約」するしくみに変わります。国・自治体は本人が負担する利用料を除いたサービス費用を「支援費」として助成することから「支援費制度」と呼ばれます。二〇〇〇年五月に日本共産党の反対を押し切って成立した「社会福祉法」などの施行によるものです。

 予算案編成を経て、この支援費の基準が正式決定される今年一月に入り、厚労省が障害者ホームヘルプサービスへの国庫補助金に「上限」を設置することを検討していることが突然明らかになったため、強い反対の声があがっていました。

 同省は一月二十八日の都道府県担当課長会議で、全身性障害者のホームヘルプは一月あたりおおむね百二十五時間まで、などの「基準」を示しました。同時にこれらの基準は▽市町村にたいする補助金交付基準であって、個々人の支給料の上限ではなく、市町村の支給決定を制約しない▽基準は今後の利用状況等を踏まえ見直す▽現在提供されているサービス水準が確保されるよう、円滑な移行を図る。従前の国庫補助金を下回る市町村は、移行時に原則として従前額を確保する─などの考えも示しました。障害者団体などの抗議と要請をうけ、「上限」案はいちおう撤回したかたちです。

 しかし裏づけとなる予算は小泉内閣のもとで大幅に押さえ込まれています。いまの基準では本人負担が重くなることや、障害者が「選択」できるサービスも整わない地域も多いなど、支援費制度は多くの課題が山積したままです。国の障害者予算を大幅に増額し、必要な財源を確保するべきです。

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 〔2003・2・6(木)〕


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