日本共産党

2003年2月2日(日)「しんぶん赤旗」

押付け合併 議会が意見書 異議あり

小規模の町村切り捨て反対

住民自治が大事 地域の歴史、事情の尊重を


 全国の町村議会で「町村の存在否定は認められない」とする意見書の可決が相次いでいます。本紙の調査でみると、たとえば山形県や高知県などでは八割が可決しています。(今回は第一次分です。近く第二次分を掲載します)

 意見書の内容は小規模町村の存在を否定する「西尾私案」を「受け入れることができない」として、「町村自治の尊重」や「税財源の分権」の実現などを求めています。

 意見書とは別に「合併しない決議」をした議会も出ています。二、三月議会に向けて、意見書を準備している議会も相当数あり、可決数はさらに増えるもようです。

 全国町村会と全国町村議会議長会は二十五日、「合併強制するな」「住民自治の尊重を」と総決起大会を開きます。

(上の数字は町村数、下の数字は可決数)

第一次分

〈北海道〉   178―109

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 松前、福島、上磯、南茅部、八雲、熊石、乙部、北檜山、今金、寿都、黒松内、蘭越、ニセコ、喜茂別、京極、積丹、松前、栗沢、南幌、奈井江、上砂川、長沼、栗山、新十津川、秩父別、沼田、鷹栖、東神楽、当麻、比布、愛別、上川、美瑛、和寒、朝日、風連、下川、美深、中川、上富良野、中富良野、増毛、南富良野、小平、幌延、浜頓別、中頓別、豊富、礼文、利尻富士、利尻、女満別、美幌、津別、清里、小清水、端野、訓子府、置戸、留辺蘂、佐呂間、丸瀬布、上湧別、湧別、雄武、早来、穂別、虻田、壮瞥、新冠、静内、三石、浦河、様似、音更、上士幌、鹿追、新得、芽室、広尾、池田、本別、豊頃、浦幌、足寄、陸別、浜中、阿寒、別海、標津、中標津

 □

 浜益、島牧、真狩、留寿都、泊、神恵内、赤井川、占冠、猿払、東藻琴、白滝、西興部、洞爺、大滝、中札内、更別、忠類、鶴居

〈青森県〉       59―8

 □

 岩木、東北、三戸、鶴田

 □

 蓬田、車力、脇野沢、倉石 

〈秋田県〉       60―41

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 小坂、比内、阿仁、合川、二ツ井、山本、八竜、藤里、五城目、昭和、八郎潟、飯田川、井川、若美、河辺、雄和、金浦、矢島、岩城、東由利、大内、神岡、角館、六郷、田沢湖、太田、千畑、増田、雄物川、大森、十文字、稲川、羽後、西目、琴丘、鷹巣

 □

 上小阿仁、峰浜、仙南、山内、東成瀬

〈岩手県〉       45―31

 □

 ―巻、岩手、西根、紫波、安代、石鳥谷、金ケ崎、前沢、平泉、大東、藤沢、千厩、東山、住田、田老、種市、浄法寺、一戸、軽米

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 松尾、玉山、沢内、衣川、室根、川崎、宮守、田野畑、新里、野田、山形、九戸 

〈山形県〉       31―26

 □

 山辺、中山、河北、西川、朝日、大江、大石田、金山、最上、舟形、真室川、高畠、川西、小国、白鷹、飯豊、余目、櫛引、温海、遊佐、八幡、松山

 □

 大蔵、鮭川、戸沢、朝日

〈宮城県〉       61―35

 □

 蔵王、七ケ宿、大河原、村田、柴田、丸森、亘理、山元、利府、松山、鹿島台、岩出山、鳴子、涌谷、南郷、若柳、栗駒、高清水、一迫、瀬峰、金成、迫、登米、中田、豊里、米山、石越、南方、女川、牡鹿、津山、本吉、歌津

 □

 大衡、花山

〈新潟県〉       91―55

 □

 紫雲寺、小須戸、村松、西川、田上、栄、中之島、津川、鹿瀬、越路、三島、与板、出雲崎、川口、湯沢、川西、津南、高柳、小国、西山、安塚、松之山、柿崎、大潟、吉川、妙高高原、板倉、名立、能生、荒川、山北、金井、畑野、真野、羽茂

 □

 黒川、弥彦、潟東、中之口、下田、上川、和島、山古志、中里、刈羽、浦川原、大島、牧、頚城、清里、三和、関川、朝日、粟島浦、新穂

 合併しない決議 聖籠町、吉田町、津南町、川口町

〈山梨県〉 合併しない決議 早川町

 協議会に加わらない決議 小淵沢町〈群馬県〉       59―2

 □

 月夜野

 □

 昭和

〈長野県〉     103―55

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 臼田、佐久、小海、望月、立科、下諏訪、富士見、箕輪、松川、木曽福島、上松、南木曽、池田、山ノ内、信州新、信濃、辰野

 □

 川上、南牧、南相木、北相木、八千穂、原、中川、宮田、下条、泰阜、南信濃、木祖、日義、開田、三岳、王滝、大桑、四賀、坂北、坂井、生坂、奈川、堀金、松川、八坂、美麻、白馬、小谷、高山、木島平、野沢温泉、牟礼、戸隠、鬼無里、小川、中条、栄、大岡

〈富山県〉       26―9

 □

 福光、上市、八尾、井波、大山

 □

 平、利賀、井口、舟橋

〈石川県〉       33―2

 □

 川北、野々市

〈福井県〉       28―5

 □

 松岡、織田、美浜、大飯

 □

 和泉

〈三重県〉       56―5

 □

 木曽岬、東員、玉城、阿山

 □

 大山田

〈岐阜県〉       85―13

 □

 不知、岩村、武儀、武芸川

 □

 蛭川、上之保、明宝、坂内、春日、久瀬、洞戸、板取、朝日

〈愛知県〉       57―11

 □

 扶桑、藤岡、三好、大口、木曽川、旭

 □

 下山、小原、津具、豊根、立田

〈静岡県〉       53―6

 □

 森、水窪、佐久間、春野、本川根

 □

 龍山

〈和歌山県〉       43―33

 □

 かつらぎ、九度山、高野、打田、粉河、桃山、岩出、那賀、貴志川、金屋、吉備、清水、広川、印南、南部、由良、日高、中辺路、日置川、すさみ、串本、古座、古座川、那智勝浦、太地、本宮

 □

 花園、南部川、龍神、美山、中津、大塔、北山

〈兵庫県〉       66―34

 □

 加美、稲美、吉川、家島、夢前、神崎、市川、香寺、太子、上郡、佐用、上月、南光、三日月、山崎、安富、宍粟郡一宮、出石、村岡、浜坂、美方、八鹿、養父、関宮、生野、和田山、山東、朝来、津名、淡路、北淡、津名郡一宮、五色、東浦

〈岡山県〉       68―47

 □

 御津、加茂川、瀬戸、吉井、吉永、牛窓、邑久、長船、灘崎、早島、鴨方、矢掛、美星、芳井、真備、有漢、北房、賀陽、大佐、神郷、哲西、落合、湯原、久世、加茂、奥津、鏡野、勝田、奈義、大原、美作、作東、中央、旭、久米南、柵原

 □

 山手、清音、美甘、新庄、川上、中和、富、上斎原、阿波、東粟倉、西粟倉

 合併しない決議 奈義町、新庄村

〈島根県〉       51―36

 □

 鹿島、玉湯、八束、広瀬、仁多、大東、木次、三刀屋、掛合、頓原、赤来、佐田、多伎、湖陵、大社、温泉津、仁摩、川本、邑智、瑞穂、桜江、金城、三隅、美都、匹見、津和野、日原、西郷、海士

 □

 吉田、大和、羽須美、弥栄、五箇、都万、知夫

<佐賀県>       42―30

 □

 諸富、東与賀、久保田、大和、富士、神埼、千代田、三田川、基山、三根、小城、三日月、牛津、芦刈、浜玉、相知、肥前、玄海、鎮西、呼子、西有田、山内、北方、大町、江北、白石、有明、太良

〈鳥取県〉       35―23

 □

 岩美、郡家、若桜、智頭、気高、鹿野、青谷、羽合、関金、北条、大栄、西伯、淀江、大山、名和、中山、日南、日野、江府、溝口

 □

 佐治、泊、日吉津

〈広島県〉       73―28

 □

 音戸、倉橋、蒲刈、加計、戸河内、芸北、豊平、美土里、高宮、甲田、向原、本郷、安芸津、安浦、東野、瀬戸田、久井、向島、世羅、世羅西、神石郡三和、総領、甲奴、双三郡三和、西城

 □

 筒賀、豊松、君田

〈山口県〉       42―7

 □

 玖珂、山陽、三隅、田万川、阿東

 □

 川上、福栄

〈高知県〉       44―35

 □

 奈半利、安田、田野、赤岡、土佐山田、香我美、野市、香北、本山、大豊、土佐、春野、中土佐、佐川、越知、窪川、檮原、佐賀、大正、大方、大月

 □

 北川、馬路、芸西、吉川、物部、土佐山、大川、本川、鏡、葉山、仁淀、十和、西土佐、三原

 合併しない決議 馬路村

〈大分県〉       47―14

 □

 狭間、野津、朝地、犬飼、久住、九重、天瀬、耶馬溪、山国、院内、安心院

 □

 米水津、前津江、上津江

〈長崎県〉       71―9

 □

 多良見、長与、時津、西彼、大瀬戸、川棚、有家、南有馬、吉井


党議員と保守系議員共同

合併協反対の力に

千葉・四街道 きょう住民投票

 市町村合併を今年の「県政運営の三つのポイント」の一つに掲げ、各地域で合併協議会設置へテコ入れを強める千葉県。一方で、地域の歴史や事情を無視した県の「合併パターン」の押しつけに、矛盾や反発も噴き出しています。

 四街道市議会では「押しつけ合併ノー」の一点で、保守系を含む無所属議員と二人の日本共産党議員団が共同。昨年の十二月議会で、千葉市との合併に向けた法定協議会の設置を、反対十二、賛成十で否決しました。

 東京や千葉市へのベッドタウンとして発展した四街道市は人口八万四千人。二〇〇〇年十月に「千葉市との合併推進」を公約に掲げて当選した高橋操市長は、「高齢化対策」「財政基盤の強化」などを理由に、合併の動きを加速させました。

 「政令市の千葉市に吸収され『四街道区』になれば、市行政の窓口としての区役所はつくられますが、これまで四街道市として培ってきた住民自治や福祉活動は壊れかねません。それに一兆円を超える借金を抱える千葉市との合併に、市民から不安の声が上がっています」と、日本共産党の及川俊子市議。

 日本共産党や無所属の議員が懸念したのは、合併で市民の暮らしや福祉、将来のまちづくりがどうなるか、という問題。無所属の石戸谷貞仁市議は、「これまで市長を支えてきましたが、肝心のデータをまったく示さない。『五年、十年かけてまちづくりを行う』という約束ともかけ離れてきました」と批判します。

 昨年十月、「先に合併ありきは反対」を旗印に、保守系や元市長派など三会派が合流して、新会派「新生」(十二人)を結成。共産党議員とともに法定協議会設置を否決する力となりました。しかし、合併に固執する市長が住民投票を請求したため、二日に法定協議会設置の是非を問う住民投票が行われます。

 大島裕人市議会議長はいいます。「あくまで、まちづくりあっての合併論議でなくてはならないのに、『早く合併しないと予定の金は払えない』という総務省のやり方は納得できない。小さくても、街の活性化の工夫はいくらでもできると思います」


 「西尾私案」 昨年十一月、地方制度調査会専門小委員会に提出した西尾勝・同調査会副会長(国際基督教大教授)の私案。小規模町村の強制合併による解消や権限とりあげの方向を打ち出しています。

 合併特例法の期限である二〇〇五年三月末以降、一定期間、法的強制力で強力に合併をすすめ、それでも残る小規模な市町村は都道府県が事務を補完するか、近隣の基礎自治体に編入するとしています。その場合は議員を無給にすることや教育委員会、農業委員会を置かないことなども検討するとしています。


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