日本共産党

2003年1月30日(木)「しんぶん赤旗」

防衛庁

民間人をまた海外派遣

イージス艦、補給艦修理に


 米国のイラク攻撃をにらんで昨年末にインド洋に向けて出動した海上自衛隊のイージス護衛艦「きりしま」が故障を起こし、防衛庁が今月、修理のために民間企業の技術者七人を派遣していたことが二十九日、分かりました。

 同時に、インド洋で米軍艦船などに給油活動を行っている補給艦「ときわ」も昨年末に故障を起こし、同庁が今月、民間技術者二人を派遣していたことも判明。これにより、民間技術者の派遣は初めて実施された昨年七月以来、計七回、二十五人にのぼり、戦後初めての自衛隊戦時派兵へのなし崩し的な民間動員が進んでいます。

 防衛庁によると、「きりしま」は、海上自衛隊横須賀基地を出港した二日後の昨年十二月十八日、艦内に電力を供給するガスタービン発電機三基のうちの一基が故障しました。このため、同庁が民間企業と契約を結び、同企業の技術者を「中東沿岸国」に派遣。今月二十三日から二十六日にかけて修理が行われました。

 「ときわ」はインド洋で活動中の昨年十二月二十七日、給油ホースを相手艦船まで伸ばすための油圧ポンプが故障し、給油活動が中断。「きりしま」と同じく、民間技術者による修理が「中東沿岸国」で今月二十三日から二十五日にかけて行われました。

 同庁は、民間技術者の派遣は防衛庁設置法第五条十三号(装備品等の調達、補給、管理、役務の調達)に基づくものとしています。しかし、同条項はもともと海外での活動を想定したものではなく、インド洋での自衛隊艦船の活動根拠になっているテロ対策特別措置法にも民間協力の規定はありません。


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