日本共産党

2003年1月29日(水)「しんぶん赤旗」

「再生機構」法案を決定

小泉内閣「再生」法改定案も

中小企業つぶしリストラ後押し


 中小企業つぶし、失業増をもたらす不良債権早期処理を進める小泉内閣は、二十八日の閣議で、借金にあえぐ企業の債権を買い取りリストラを進める株式会社を新設する「産業再生機構」法案と、政府が企業・産業の再編・淘汰(とうた)を後押しする「産業再生」法改定案を決定しました。(8面に関連記事)

 両法案は、昨年十月に決定した「改革加速のための総合対応策」に盛り込まれていたものです。二〇〇五年三月末までに大手銀行の不良債権比率を半分程度に低下させ、「問題の正常化」を図るとした施策の柱となる法案です。

 谷垣禎一産業再生担当相は閣議後の記者会見で、「産業再生機構」法案について「機構が金融と産業の再生を一気呵成(かせい)に進めるテコにしたい」とのべ、業界再編を通じた一部大企業の競争力強化を図る意向を示しました。

産業再編も対象

 【「産業再生」法改定案】一九九九年に施行された「産業再生法」が三月末に期限切れとなるため、この申請期限を五年延ばした上で、支援の対象や内容を大幅に拡充します。

 個別企業のリストラを税制などで後押しをしてきた現行法から認定対象を大幅に拡大し、業界・産業の再編を促進するのが狙いです。

 そのため、(1)業界の「過剰供給解消」を目指して、二つ以上の企業が共同しておこなう組織再編を伴った事業活動を支援するための「共同事業再編計画」、(2)他社が事業を継承し、申請した企業が生き残らない「経営資源再活用計画」、(3)長期的観点から、技術革新の成果を現実のビジネスに生かすため革新的設備の導入を支援する「事業革新設備導入計画」の三項目を追加しました。

 具体的な優遇措置としては、リストラにともない発生する欠損金の繰越期間を五年から七年に延長する対象を職員の再就職あっせん費や、割増退職金などにも拡大します。

 また、組織再編に伴う手続きについて、株主総会決議を必要としない「簡易組織再編」の範囲を拡大することなどを盛り込んでいます。

 中小企業への指導助言機関としては、各都道府県に中小企業再生支援協議会を設置します。

損失は税金で

 【「産業再生機構」法案】機構は、不良債権のうち、金利減免などの支援をうけている「要管理先債権」を主な対象に、非主力取引銀行から買い取り、主力取引行と連携して企業のリストラをすすめ、「再生」を目指すとしています。発足後二〇〇五年三月末までに債権を買い取ります。「再生機構」は五年後をめどに解散する予定です。機構内に三人以上七人以内の産業再生委員会を設置し、主務大臣の意見を聞きながら債権買い取りや債権処分の決定などをおこないます。

 債権の買い取り価格は「再生計画を勘案した適正な時価」とされており、高めの買い取りになる可能性があります。買い取りは、申請時に提出される再建計画(三年以内)の終了時点で(1)株主資本利益率の2ポイント以上の上昇、(2)抱えている負債が年間キャッシュフロー(現金収支)の十倍以内となるなどの生産性向上、財務改善が判断基準となります。

 機構を解散するさい、債務超過となった場合には、政府が税金で損失を補てんすることになっています。来年度予算で十兆円の政府保証枠が設定されています。


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