日本共産党

2003年1月29日(水)「しんぶん赤旗」

自己破産21万件

「不況型の貧困」で激増


02年本紙集計

グラフ

 全国の個人の自己破産申し立て件数が二〇〇二年は一年間で二十一万件を突破し、過去最高になったことが二十八日までの本紙の集計で分かりました。

 全国に五十ある地裁での自己破産申し立て件数(速報値の概数)の合計は二十一万二千十六件。過去最高だった二〇〇一年の十六万四百五十七件を五万件以上上回りました。深刻な不況が続くなかで、多重債務者が激増していることを示しています。

 昨年十月に自己破産した千葉県で商売をしていた男性(64)は、不況で売り上げが落ちたことから二千万円近くの負債をかかえて廃業。負債の返済と生活費などにサラ金から三百万円借り、月々の支払いが十五万円になって払えず自己破産を申し立てました。「支払日が近づくと胃が痛くなる。共産党の生活相談の看板をみて、民主商工会を知り解決の見通しがでた。好き好んで自己破産する人はいない。こんな不況を当然視する悪政は許せない」といいます。

 全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局長の木村達也弁護士は、「不況型の貧困がすすみ自己破産の申し立てが激増しています。何の対策も取らない完全な政府の責任です」と指摘。「自己破産しようにも裁判費用さえない被害者が増えています」と被害の深刻さを語っています。

 「ヤミ金融の被害が多重債務者を自己破産に追い込み、その件数は昨年とくに増えた」というのは全国ヤミ金融対策会議代表幹事の宇都宮健児弁護士です。「出口の見えない不況による中小企業の倒産、リストラや失業が増えるに従い自殺者も増えていることに深刻さが現れています。政府が我慢しろと痛みを押しつけている中高年の人が大変です。政府は不況対策、社会福祉の充実などを急ぐ必要がある」と話しています。

 自己破産 借金の返済が不可能になり苦しんでいる人を救済し、経済的に再び立ち直ることを可能にさせる破産法で定められた制度。裁判所で破産が確定し、免責が認められると借金は免除されます。


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