しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年4月16日(火)

きょうの潮流

 「核と人間とは共存できない」。この信念のもと日本のはるか遠くブラジルで反核・平和活動を続ける被爆者がいます。21歳の憲兵隊員として赴任先の広島で被爆した森田隆さんです▼戦後10年たっても、夏の太陽にあたると白血球が異常に増え寒気と震えに襲われた森田さん。温暖な地が体に良いと勧められて家族4人で移住。戦後の食糧難“過剰人口を減らす”との国策ですすめた、移民政策で海を渡った被爆者の一人です▼「原爆被爆者協会」をつくり海外に住む被爆者も日本国内と同じ援護をうけられるよう運動をしました。東京都内での映画「ブラジルに生きるヒバクシャ」日本公開版(版権・映画監督の有原誠治氏)の上映会で森田さんらの活動を詳しく知りました▼上映会では広島で2歳のとき被爆したブラジル在住の渡辺淳子さんが証言しました。「強い風が吹いてきて、たくさんの焼けた紙とともに『黒い雨』が降ってきた。それからは毎日下痢がひどくて、母は幼い私の『死』を覚悟した」と▼ブラジルでは、若い世代向けの証言と折り鶴の運動を精力的に。証言は、ポルトガル語です。ときにヒバクシャ国際署名を携え、核兵器禁止条約賛成をと南米諸国政府の関係者に働きかけます▼かならず話すのは、2歳で被爆し「黒い雨」にも打たれ白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子のことです。「禎子は折り鶴を千羽折れば、願いかなって平和に生きられると折り続けた。その鶴は平和求めて世界の中で羽ばたいている」と。


pageup