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2019年3月24日(日)

きょうの潮流

 2020年の東京オリンピック施設整備で突貫工事が続く夢の島公園。同公園内にある都立・第五福竜丸展示館も4月2日のリニューアルオープンに向けて、大規模改修中です▼第五福竜丸はアメリカが1954年水爆実験を強行した太平洋ビキニ環礁まで航海し、被ばくした木造マグロ船の一つです。原水爆禁止を願う運動で保存され、1976年に開館。築43年、激しくなった屋根からの雨漏りを防ぐ工事などを済ませました。ビキニ被ばく65年の節目に第五福竜丸を守る“シェルター”として生まれ変わります▼傷みが目立つ第五福竜丸本体の改修も急がれます。戦争直後の1947年建造。1985年に大改修しました。当時、「木造の大型船が残されていること自体が貴重。文化財保護の理念での改修を」との専門家の助言を受け、同じ材質で、同じ工法で、1年3カ月かけました▼今回新たに「立体画像(3D映像)で歩く船内」や元乗組員・大石又七さんの証言映像、英文案内も加わります▼学芸員の安田和也さんは「展示館は、産業文化遺産と同時に平和遺産です。核兵器の廃絶を願い、第五福竜丸を知らない世代にむけて核の問題を発信し続けたい」と▼2020年は、核実験した核保有大国と核兵器禁止条約に賛成する諸国政府が議論を交わす場になる、NPT(核不拡散条約)再検討会議が国連本部で開かれる年でもあります。展示館は原爆ドームとともに、日本を訪れる世界の人たちに一度は見学してほしい平和の拠点です。


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