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2019年2月25日(月)

きょうの潮流

 小惑星リュウグウの表面は大きな岩だらけでした。探査機はやぶさ2は、その困難を乗り越え22日、着陸に成功しました。ポイントは着地点を絞り込めたことです▼当初の想定範囲は甲子園球場の広さ。岩のない場所に着地するため、直径6メートルのピッチャーマウンドの幅に狭めました。世界に類例のない着陸精度の高さが成功の背景にあります▼その小惑星から約3・4億キロメートル離れた地球。現実の甲子園のマウンドをめぐっても注目すべき動きがありました。日本高校野球連盟が有識者会議を立ち上げ、投手の障害予防の検討を始めると打ち出しました▼昨年末の新潟県高野連の決定がきっかけです。春季県大会で1試合につき1人100球に制限すると。「将来ある子どもたちが(故障で野球を)断念するケースが多い」が理由です▼昨夏の甲子園で、秋田の金足農業・吉田輝星(こうせい)投手が6試合で881球を投げて心配されました。地方大会も含め投手酷使の現実はなくなりません。連投や疲労が故障を誘発するのは医学的に明らか。疲労を「常に感じている」なかで投げた場合、ひじを故障する危険は36倍にもなるとの報告があります▼「高校生は自分では(球数を)制限できない。おとなが制限を設けてあげるのは大事なこと」とドジャースの前田健太投手。高校で痛みを抱え連投した経験があるだけに、その言葉は重い。宇宙分野の研究も進む時代。いつまでも医科学を踏まえない日本球界でいいのか。選手の健康第一の着地点が必要です。


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