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2019年2月14日(木)

きょうの潮流

 思いもよらない病を告げられたショックは、いかばかりか。「私自身、未(いま)だに信じられず、混乱している状況です」。ツイッターに書き込んだ言葉からも、彼女の驚きと困惑がひしひしと▼競泳の池江璃花子(りかこ)さんが白血病を患ったと公表したことが衝撃をひろげています。東京五輪を前にした突然の発症に周りの戸惑いも大きい。ですが、この事実を受けとめるために最も苦しんでいるのは本人でしょう▼「今は治療に専念できる環境をつくってあげることが大事」。北島康介さんがコメントしたように競技仲間やスポーツ界からは温かい言葉が続々と寄せられています。「不治の病」といわれた白血病も治療法が急速に進歩し、多くの人が回復。現役復帰を果たしたスポーツ選手も少なくありません▼なによりも、彼女自身が「さらに強くなった姿を見せられるよう頑張っていきたい」と前向きな姿勢でいることが頼もしい。担当のコーチも「白血病に必ず勝つんだという気持ちを見せている」と▼そこに冷や水を浴びせたのが、くだんの五輪担当相です。「がっかりしている」「盛り上がりが下火になるか心配だ」。およそ五輪の意義など理解しない言動をくり返してきた桜田氏ですが、人を平気で傷つける物言いがいかに人間賛歌の祭典にふさわしくないか▼幼い頃から泳ぐことが大好きで、努力を積み重ねて世界の頂点をめざしてきた池江さん。目標に向かい、ひたすらに生きてきた18歳の信念は「限界はない」。それを信じて、見守りたい。


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