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2019年2月7日(木)

きょうの潮流

 運試し、運を天に任せるなどといいますが、みなさんは運というものをどう考えていますか? 辞書を引くと人知の及ばないなりゆき、めぐりあわせ、といった意味が書かれています▼運との向き合い方によって人生の歩みも変わってくる。臨床心理学者がテレビで語っていました。幸不幸を運に求める、運は運とみずから努力する、運など信じない人。いろんなタイプがいるが、運と主体の距離感が生き方につながると▼ただし、人間は成長し、変わることもできます。運や人任せから、自分の努力によって道を切り開いていく。それを促すには、置かれた環境や社会の仕組みも大きくかかわるというのです▼万博の前にカジノ施設をつくれ―。関西の経済界が一体となって推し進める国と大阪に求めました。IR(統合型リゾート)の先行開業は「夢洲(ゆめしま)が国際観光拠点として世界的に認知される千載一遇の機会となり、効果は絶大」。できなければ「夢洲にとり致命傷になる」と行政手続きや工事を急がせています▼大阪湾に浮かぶ人工島、夢洲は今も広大な空き地がひろがります。税金の無駄遣い、負の遺産といわれる殺伐とした地は地震による液状化や津波も懸念されています▼推進側は「万博やIRが来れば夢洲は夢の島になる」といいます。運やギャンブルに人生を託し、そこから抜け出せない人を増やすことが未来につながるのか。みずからが主体となり、自分の力で歩んでいける。そんな社会の実現こそ、人びとが求める夢の島では。


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