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2019年1月24日(木)

きょうの潮流

 「それは一つの独立した科学である」。日本近代統計の祖といわれた杉亨二(こうじ)は、その目的を「人間社会の諸現象を数量的に探究分析し、そこに内在する因果的定則を明らかにする」ことだと述べました▼同じく統計学の導入に努めた呉文聰(くれ・あやとし)は従事する者の責任をこう説きました。「過去の現象を見て今日の成果を知り、今日の現象を見て未来の成果を察し得て、統計によって社会の害を除き其利を求め、人の世の幸福を大ならしめることにある」(宮川公男著『統計学の日本史』)▼近代国家としての出発に際し、社会の明鏡である統計によって実勢や景況を明らかにし、方針を定め、間違いのない論議をする―。統計を国政に生かそうとした人たちの意気込みが伝わってきます▼いま、先達の志を忘れたかのような失態がつづいています。政府が作成する中でも最も重要とされる基幹統計の一つ、毎月勤労統計を厚労省が長く不正調査していた問題が国の信頼を揺るがせています▼雇用や給与、労働時間の変動を調べるもので、雇用保険や労災保険などの給付額にかかわります。全数調査すべきところを15年前から勝手に抽出し、のべ2千万人が少なく支給されていました▼第三者でつくる監察委は漫然と踏襲してきたと。ことは国の根幹にかかわり、組織的な関与や隠ぺいの解明はこれからです。先の本は米国会計検査院長の言葉を終章で紹介しています。「国家の現状と進歩について国民に知らせることは健全な民主主義の不可欠な要素である」


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