しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年1月18日(金)

きょうの潮流

 本紙学問文化面の毎週火曜日に掲載されている「読者の文芸」。読者から投稿される詩、短歌、俳句、川柳には、人生の悲喜、出会い、発見、悪政と社会の不条理への怒りなどが表現され、共感が湧く欄です▼岐阜県多治見市の宮地(みやち)純二さん(66歳)は川柳の常連投稿者の一人。はがきの隅に「『潮流』で一日一句川柳作りにチャレンジ」と書かれているのが目に留まり、話を聞きました▼宮地さんは小学校教員を定年退職した6年前から、本欄潮流の書写を始めたと言います。背すじを伸ばし、30分ほどかけて一語一語、丁寧に書いていきます。「大切な言葉」とラベルを貼った大学ノートは今や32冊目▼3年ほど前、潮流に取り上げられる事象の本質を突き詰め、その核心を言葉にしてみようと川柳を作ることを思い立ちました。作っては投稿し、初めて掲載された句が〈独り居に赤旗という同志あり〉。原爆投下後の長崎での写真「焼き場に立つ少年」に触れた潮流からは〈少年が焼き場で待つは平和の日〉、最新の掲載句は〈フクシマを史上最後の被曝(ひばく)地に〉▼潮流の書写と川柳作りで学んだことは、駅頭で訴える時にも役立つのだとか。毎月9日の九条の会の宣伝や、19日の戦争法強行に対する抗議行動でマイクを握ります。地元の年金者組合に「川柳を楽しむ会」ができたのも、宮地さんの投稿が掲載されたのがきっかけでした▼社会や生活、自分を見つめ言葉で表現する営みが、人をつなぎ、気づきをもたらし、人生を豊かにしていきます。


pageup